研究概要 |
差分格子ボルツマン法での計算では、層流計算において見かけ上の粘性係数が変化するSIS 現象を再現することができた。2次元クエット流れに、界面活性剤の棒状ミセルのモデルとして、自由な変形を許すひも状の物体を潜入し壁面に働く平均の努断応力を求めた。それにより、あるレベルまで剪断が強くなると剪断応力が急増し、見かけ上の粘性係数が増加する現象がみられた。それ以上剪断が強くなると、ミセル表面で液の滑りが生じ、見かけ上の粘性係数は減少に転じることも確認された。一方、乱流の直接計算では2次元及び3次元等方性乱流のシミュレーションを行った。2次元計算ではエネルギースペクトルが時間によって-3乗則および-4乗側と変化する。また逆カスケード現象もとらえられた。3次元では-5/3乗側の成立する領域が存在することが確認できた。また実験や、他の計算との比較も良好であった。サブグリッドモデルを組み込んだ計算では、チャネル流れ正方形物体周りの流れも、満足のいく結果が得られた。 2次元クエット乱流に、界面活性物質を混入した計算では、流れ方向の乱れはそれほど抑えられていないが、流れに垂直な方向の乱れは大きく抑制され、実験により得られている結果を再現した。 実験では、水の場合にレイノルズ数Re=14000まで層流を維持できる管路の助走区間にリング状突起物を設置して強制的に乱れを与え,遷移の初期段階で断続的に発生しはじめる乱流塊の性質や挙動に及ぼす界面活性剤添加の影響を調べた.界面活性剤としてCH_3(CH_2)_<13>N(CH_3)_3Brを用いた.LDVと参照用熱線流速計により成長速度を測定した.その結果,(1)濃度250ppm以下では界面活性剤添加の影響は現れない,(2)250ppm以上では乱流塊が発生しはじめるReは濃度とともに増大するが,400ppmを越えると明確な乱流塊は発生しない,(3)300〜400ppm水溶液では遷移初期に発生しはじめる乱流塊はスラグからパフに転化する,ことがわかった.
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