研究概要 |
昨年度は,直径2,3,4インチの急速混合型管状火炎バーナを設計・製作し,とりあえず,3インチのバーナについて,急速混合型予混合燃焼が実現できる条件(燃料吹き出し速度や空気吹き出し速度)を求めた。本年度は,引き続き2インチ,4インチのバーナについても,急速混合型予混合燃焼が実現できる燃料吹き出し速度や空気吹き出し速度の範囲を求めた。以下に,本研究で得られた主な結果を記す。 1.燃料と空気を予め混合せず,別々なスリットから吹き出しても,バーナ内に管状火炎を形成できる。したがって,逆火する危険のない予混合燃焼が可能である。 2.この形成条件を空気吹き出し速度〜燃料吹き出し速度の平面上で求めたところ,空気流速にして10m/s以上で且つ総括当量比が可燃限界内であれば管状火炎が形成できることが判明した。 3.但し,均一予混合火炎とは異なり,火炎帯にらせん状のムラができたり,バーナ根元では火炎のない不均一な火炎がしばしば観察された。 4.これを解決する手段として,バーナ根元に副室を設けることで見かけ上均一な管状火炎を作ることができることが判明した。 5.しかし,温度分布を測定すると,均一予混合火炎に比べ非常に厚く,火炎構造はかなり異なることが判明した。目下,燃焼ガス組成,NOx値を測定中である。 以上の研究成果の一部は,既に,平成15年12月に開催された第41回燃焼シンポジウムの席上で発表したが,引き続き平成16年12月に開催予定の第42回燃焼シンポジウムでの他の成果を発表し,また,これらの結果をまとめて日本燃焼学会誌などに投稿する予定である。
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