| 研究概要 |
本研究は,大腸等の管状器官に挿入,あるいは内視鏡と共に生体内に送り込み,管内壁や内臓器官に存在するサブmmから数mmオーダの微小癌検出を簡単かつ確実に行うため,ゴム膜を膨らませたバルーン型プローブを生体軟組織に押し込み,その変形を光学的に捉えることで面内の硬さ分布を測定し,微小癌等を検出する手法を提案するものである.
今年度の研究成果は以下の通りである
1.硬度変化部の検出感度を上げるため,押し込み方向に対してCCDカメラを傾けて設置することによりマイクロセンサアレイを実現する方法を提案した.実験により,提案手法によって異物の大きさや固さの大小関係を判別できると同時に,従来の押し込み方向から観察する手法に比べ感度が向上することを示した.また,このプローブによるXY方向測定範囲,深さ方向の測定可能範囲等の基礎特性を実験により明らかにした.
2.CCDカメラにビデオ出力ができるものを用い,押し込み過程における変位を連続的に取得できるようにシステムおよびプログラムを改良した.これにより埋め込み物の深さ情報に関連があると考えられる押し込み時の過渡状態の取得を可能とした.
3.ゴム膜上のパターンパターン無しに,7×7個のマルチビーム生成プロジェクターヘッドと光三角法を用いることにより,当初の目的であるマルチビームによる多点の同時変位検出および硬度変化部検出実験を行った.その結果,各ビームスポット軸上の多点のプローブ変位を同時に取得でき,校正によりZ軸方向の絶対移動量検出が可能であることを示した.また,本手法は従来の押し込み方向から印刷パターン変位を観察する方法に比べてZ軸方向変位検出分解能が向上することを示した.
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