研究課題/領域番号 |
14655125
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
秋田 成司 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (60202529)
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研究分担者 |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / ナノチューブ伝導機構 / ナノマニピュレーション / 量子化コンダクタンス / ファンデアワールス力 / ナノ摩擦 / ナノメカニクス / ナノファクトリー |
研究概要 |
カーボンナノチューブの電気伝導は非常に特異であるが実験的に明らかにされていない点が多い。このような、多層ナノチューブの伝導機構を解明するにあたり、電極とナノチューブの界面の影響をしらべ最適な電極形成法を探索すること、応力をナノチューブに加えた時の伝導状態の変化について調べることを目的とし、走査型電子顕微鏡(SEM)に独立した3つのマニピュレータをもつナノファクトリーにより実験を行った。 1.ナノチューブと電極界面の最適化 ナノチューブの電極との接触は以下のようなプロセスで著しく向上することを見出した。1)ナノファクトリー内で、ナノチューブを電極に接触した後、2)その界面に電子ビーム照射による非晶質カーボン薄膜を局所的に堆積する。この時点では2端子抵抗は数百kΩである。3)2端子間に数Vの電圧を印加し、数μAの電流を流す。これにより、接触部での電力消費による発熱ために接触が改善する。この時点で2端子抵抗は数十kΩである。4)3)のプロセス中に電子ビームをスポット照射する。カーボン薄膜堆積中の温度が高いために高品質なカーボン薄膜の堆積が期待できる。これにより、2端子抵抗は13kΩとほぼ量子化コンダクタンスと同等の良好な接触を形成することに成功した。 2.外部応力下における伝導測定 真空中で多層ナノチューブに100μA以上の過剰電流を流すと電極中央部付近のナノチューブ外層から制御良く一層ずつ剥離し、ラジオの伸縮するアンテナのような形状にすることに成功した。この状態で、両端の電極を遠ざける方向に移動(ナノチューブ両端を引っ張る)すると多層ナノチューブの内層が外層から引き抜けることを見出した。さらに、引き抜き時の力の測定から内層と外層界面が理想的な状態を保つことがわかった。また、伸縮時の抵抗はのびに比例することを実験的に明らかにし、ナノ変位測定器としての可能性を示した。
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