研究概要 |
本年度は,昨年度の検討を推し進めるとともに,適応型コンテンツルーティング機構の開発,及びテストベッドの構築に関して検討を行い,各種機構を構築したテストベッド上へ実装した.さらに,テストベッド上での実験評価をフィードバックして各種機構の展開・改善を行い,アプリケーションプロトタイプの実装を完了した. 1.適応型コンテンツルーティング機構の開発と実装 昨年度開発を行ったコンテンツルーティング機構の検討をさらに推し進め,各ノード端末の処理能力,帯域,遅延などの「ノード環境」が不均一である状況に対処可能な適応型コンテンツルーティングの開発を行った.具体的には,ノード環境の情報に基づいて論理的オーバレイネットワークを再構成する適応化機構を開発し,実装を行った.さらに,トラヒック測定などによるノード環境推定機構を開発するとともに,XMLを用いたノード環境の表現方法を開発した. 2.テストベッド構築とアプリケーションプロトタイプの実装 これまでに開発・実装を行った各種機構の実験評価を行うためのテストベッドネットワークを構築した.具体的には,ノード環境の多様性を擬似するために,ネットワークへのアクセス手段としてイーサネットだけでなく無線LANを用意し,dummynetを用いて帯域及び遅延制限を導入し,さらには,CPUなどの処理能力が異なる端末を取り入れたテストベッドネットワークの構築を行った.また,アプリケーションプロトタイプとしては,ファイル共有,コンテンツ配信,及び分散コンピューティングをベースとした「超分散コラボレーション」を実現した.
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