配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
昨年度の研究によって,辺長比2の長方形角柱の前縁スリットから脈動噴流によって剥離せん断流を刺激すると,角柱振動との位相を適切に選ぶことによって,きわめて効果的に振動を抑制できることが明らかになった.噴流を脈動させずに吹かせ続けたときよりも効果的に振動が収まること,位相によっては逆に振動振幅が増えることがあること,も重要な知見であると考えている.本年度は,脈動噴流が剥離せん断流に与える作用を明らかにすることを主目的にして,角柱周辺気流の測定と可視化実験を実施した. 角柱周辺気流の測定は,角柱を固定した状態,空力振動をさせている状態,および脈動噴流で振動が抑制された状態について,後流内に熱線流速計プローブを設置して計測した.計測した流速変動をスペクトル解析した結果,角柱を固定した状態ではストローハル数成分が卓越し,空力振動させている状態では,角柱・支持系の固有振動数成分が卓越しているのに対し,脈動噴流で振動が抑制された状態では,変動のパワーが極めて小さく,また小さなピークの周波数はストローハル数成分とも固有振動数成分とも異なるものであった.この結果から,脈動噴流で振動を抑制した状態では,後流の変動がかなり少ない気流になっていることが分かった.角柱側方の剥離せん断流そのものの測定もこの知見に対応するものであった. 可視化実験は,上流からドライアイスの白煙を風路内に流し込み,レーザーシートを鉛直に当てて,角柱側方および後流の状況を観測した.その結果,振動時の後流に見られる角柱背後の巻き込みが,振動抑制時には低減していることが認められた.
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