• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

超多孔質炭への植物および菌糸類の生育過程

研究課題

研究課題/領域番号 14655244
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 無機材料・物性
研究機関高知工科大学

研究代表者

坂輪 光弘  高知工科大学, 工学部, 教授 (40299376)

研究分担者 今西 隆男  高知県立森林技術センター, 総括主任研究員
研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード炭素 / 木炭 / 炭素化 / きのこ類 / 気孔 / 木質系資源 / 植物栽培床 / 菌糸 / 環境 / 古紙 / 炭化 / きのこ / 担子菌 / 菌根菌 / 白色腐朽菌
研究概要

従来の木炭に比して、4から5倍の気孔を有する超多孔質の炭を製造できることを見出した。この原料として、古紙やダンボールなどの廃材も使えることを明らかにした。これらの木質系資源を粉砕し、圧密後、炭素化することで超多孔質の炭を造る。この圧密の過程での圧密の程度で気孔を制御できる。この気孔には、マクロな気孔とミクロな気孔が存在することが判った。マクロな気孔は、圧密の程度に比例する。ミクロな気孔は原料の炭素化過程での揮発分に因る。このためマクロ気孔は制御が可能であるが、ミクロ気孔は原料依存性が大きく、制御は簡単ではない。このマクロ気孔は、植物の根や菌糸の大きさに適合するので、植物と菌糸の生育には欠かせない。一方、ミクロ気孔は水分や空気の流通の経路として大切であり、やはり植物や菌糸の生育には欠かせない。
植物や菌糸の生育を試みた結果、松などの樹木の生育も可能である。またトマトやきゅうりなどの野菜類の生育も可能である。特に炭素化過程で1000℃程度まで加熱してあるので、雑菌に犯される確率が少ないため、野菜類の苗の生育する割合が通常の苗床に比較して高いことも見出された。また、芝などの生育も可能である。ビルの屋上やベランダでの利用が可能であり、炭が軽量であるので土の栽培床に比してメリットが大きい。このためヒートアイランドへの対応や都市でのビル街の緑化にも使える可能性がある。
また、炭は吸着性があるので植物や菌糸類の栄養剤を吸収するのではないかと懸念される。窒素、燐酸、カリの3要素について炭の吸着特性を調べたところ、一部は吸着するがすぐに飽和し、ある量以上は吸着しないことも判った。このことは過剰に栄養剤を与えた場合でも、緩和してくれる可能性もある。
以上の結果か従来の炭では全く栽培することの出来なかった樹木や野菜などの植物と菌糸類が生育することが判り、実用化の可能性を見出すことができた。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2004 2003 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 文献書誌 (8件)

  • [雑誌論文] 古紙の炭化と生成炭のキャラクタリゼーション2004

    • 著者名/発表者名
      山崎和紀, 小笠原大介, 今西隆男, 坂輪光弘
    • 雑誌名

      炭素 No211

      ページ: 4-9

    • NAID

      10011946785

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 古紙から造った炭でのヒラタケ栽培2003

    • 著者名/発表者名
      今西隆男, 坂輪光弘
    • 雑誌名

      日本応用きのこ学会誌 Vol1、No4

      ページ: 165-171

    • NAID

      110008679527

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 古紙から造った炭の物性ときのこ栽培への利用2003

    • 著者名/発表者名
      今西隆男, 山崎和紀, 江口敏記, 坂輪光弘
    • 雑誌名

      古紙から造った炭の物性ときのこ栽培への利用 82

      ページ: 254-260

    • NAID

      110004083286

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 坂輪光弘, 小笠原大介, 今西隆男, 山崎和紀: "古紙の炭化と生成炭の物性"炭素. 211. 4-9 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 今西隆男, 山崎和紀, 江口敏記, 坂輪光弘: "古紙から造った炭の特性ときのこ栽培への利用"日本エネルギー学会誌. 82. 254-260 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 今西隆男, 坂輪光弘: "古紙から造った炭の特性とそれを用いた担子菌類の成長特性"炭素. 200. 249-254 (2001)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 今西隆男, 坂輪光弘: "古紙から造った炭でのヒラタケ栽培"日本応用きのこ学会. 11. 165-171 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 坂輪光弘, 古牧育夫, 山口一良: "石炭・コークス"日本鉄鋼協会. 266 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 今西隆男, 坂輪光弘: "古紙から造った炭の特性とそれを用いた担子菌類の成長特性"炭素. No.200. 249-254 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] M.Sakawa, T.Imanishi: "Development of char made from used paper as a bed for plant"Carbon'02 An International Conference on Carbon. 130-131 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] T.Imanishi, M.Sakawa: "Utilization of Charcoal made from used paper as a basidiomycetes medium"Carbon'02 An International Conference on Carbon. 43 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi