研究課題/領域番号 |
14655257
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 正治 京都大学, 工学研究科, 教授 (90029108)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 熱電変換 / 熱電変換化合物 / ドーピング / スパッタリング / 薄膜 / Zn_4Sb_3 |
研究概要 |
熱電材料による熱電変換効率は、温度、熱電能、比抵抗、熱伝導率の関数である。実用的熱電変換の実現には、無次元性能指数が1を越える熱電材料の開発が必須である。現在、(AgSbTe_2)1-X(GeTe)X系、CoSb_3系、Zn_4Sb_3系の化合物が1を越える無次元性能指数を示す熱電化合物として知られている。本研究では、Zn_4Sb_3の熱電変換特性を改良するため、Zn_4Sb_3に対する固溶度の大きなドーピングエレメントを探索し、Inが最適であることを発見した。Inは0.5at.%までZn_4Sb_3のZnを置換することによって固溶し、ドナーとして働く。その結果、p型半導体であるZn_4Sb_3の電気伝導率を下げ、ゼーベック係数を上げる。同時に、Znをランダムに置換する効果によって、熱伝導率を低下させる。このような効果によって、In添加はZn_4Sb_3の熱電変換特性を向上させることが明らかになった。 Zn_4Sb_3の熱電変換特性のさらなる向上を目指し、スパッタリング法によるZn_4Sb_3の薄膜化にも取り組んだ。Zn_4Sb_3薄膜の熱電変換特性は、薄膜の作成条件に非常に敏感に依存するが、適正なスパッタリング条件のもとで作成したZn_4Sb_3薄膜は大きなパワーファクターと小さな熱伝導率を示し、優れた熱電変換特性を示すことを発見した。500℃以下の温度範囲では、現在報告されている高特性熱電化合物の中で最高値に近い熱電変換特性が得られた。 成果を本年3月初旬に開催された米国TMS Meeting (San Diego)で報告し、報告したPost-Doc研究者と大学院学生がBest Poster Paper Awardを獲得している。
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