研究課題/領域番号 |
14655267
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10108566)
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研究分担者 |
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00161571)
張 涛 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70250818)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | マグネシウム合金 / ナノ結晶 / 急速凝固 / 長周期六方晶 / 粉末冶金法 / 機械的性質 |
研究概要 |
本年度の研究では、新規長周期六方晶構造の解析を行った結果、以下の合金で14周期原子構造が見出された。ひとつは、液体急冷したMg(97)Ln(2)Zn(1)(ここでLnはY,GdおよびSm)三元系を573Kで1.2から3.6ks熱処理した合金であり、他の一つは、液体急冷したMg97Y2Zn1合金である。LnとしてLaもしくはCeを含む合金はhcp-Mgおよび化合物相を生成し、液体急冷合金および熱処理合金の双方とも長周期六方晶構造の生成は確認されなかった。LnとMgの原子寸法比の増加および化合物の析出傾向の減少により、Mg基強制固溶体の生成傾向の増加が促進される強い傾向が認められた。また、液体急冷したMg97Y2Zn1合金の14周期構造の原子ミスフィット位置においてYおよびZnの濃縮がみられることが明らかになった。この原子レベルでのYとZnの濃度の分離は、Mg-Ln-Zn合金の高い安定性の要因のひとつと考えられる。Mg-Ln-Zn合金において二つの型の長周期六方晶構造が見出されたことは、将来的に高強度Mg基合金の開発にとって重要と考えられる。さらに、HAADF-STEM法によりMg97Y2Zn1合金の局所構造の解析を行った。その結果、この合金の原子構造の特徴として、周期構造の原子はMg結晶の6周期構造をユニットをもつ化学的な長周期原子規則を有していること、また、ZnとYが濃度的に富む積層欠陥を有していること、そして、これらの特徴的な構造を同時に併せもつことにより、高強度特性が発現していることが明らかになった。
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