研究課題/領域番号 |
14655270
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冨井 洋一 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (90026245)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 高速回転刃物 / 3層複合刃 / メタルボンド / レジンボンド / バリ発生 / 超薄刃物 / ダイシング / チッピング / バリ |
研究概要 |
最近のマイクロエレクトロニクス分野で用いられるICは、機能層が高集積化され、部品の小型化が進んだことでより軽薄短小化されてきている。これらに伴い、より細かく所定の必要寸法に切断(ダイシング)するために要求されるダイシング条件は、精密で基板ダメージを少なく、尚且つ切断幅を最小に細かくダイシングすることである。 現在メタルボンド、電鋳ボンド、レジンボンドの3種類のダイシング刃が主に使用されているが、各々のダイシング刃に長所・短所があるために、新規に開発される多種多様の基板や電子部品に満足な対応が難しくなってきているのが現状である。これらを鑑み、多種多様な被削物の材質に対応できる、電鋳ボンドやメタルボンドのような強度と寿命を持ち、且つ、レジンボンドようなチッピングの少ない切れ味をもつ3層ボンド構造のダイシング刃物(超薄刃物〜100μm)が提案、開発された。(実用試作開発は、経産省平成13年度即効型地域新生コンソーシアム研究開発事業と共同で行われた。) 得られた主な成果は以下の点である。 (i)外径が50mm(±50μm)で、ブレード総厚さ160μm(±2μm)の超薄精密3層構造超薄ブレードの製作に成功した。 (ii)切断時の精密性とチッピングの発生を防ぐために、従来試みられていなかったレジン-メタルーレジンの3層構造超薄ブレードの一体成型・焼成法を可能とした。 (iii)本技術の確立実用化によって、最適条件下では最終的な小型電子部品の50%のコストダウンを図り得ることが示された。 厚さが最薄で0.16mmであり、当初の目標値0.1mmには及ばない結果である。しかし、接合方法等に開発の余地が多く見られることを考慮すると、0.1mmの高性能3層複合ブレードの製造は今後の研究継続によって十分可能と思われる。
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