研究課題/領域番号 |
14655278
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属生産工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山村 力 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005363)
|
研究分担者 |
前川 英己 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60238847)
河村 純一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50142683)
佐藤 讓 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80108464)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | イオン伝導体 / メソポーラス物質 / ナノ複合体 / リチウムイオン / プロトン / 自己組織化 / サイズ効果 / ナノチャンネル / メソ細孔 / アルミナ / 固体電解質 / 規則配列 |
研究概要 |
本萌芽研究では、イオン伝導体をナノサイズのチャンネルを持った酸化物(アルミナ)中に導入することにより、イオン伝導度の大幅な向上とそのメカニズムの理解を目指したものである。本研究により以下の点が明らかになった。 (1)界面活性剤を鋳型として用いるゾル-ゲル法によりナノチャンネルアルミナを合成した。その際、用いる鋳型高分子の大きさ、形、合成条件の最適化により、チャンネルサイズを3nmから20nmまでの範囲でコントロールできた。合成されたメソ孔アルミナ中にリチウムイオン伝導体であるヨウ化リチウムを導入した。電気伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、純ヨウ化リチウムと比較して伝導度の大幅な増加を観測した。 (2)伝導度にはチャンネルサイズ依存性が見られ、チャンネル径を4〜12nmまで変化させたところ、サイズの減少に伴って、伝導度が増加した。このことから、アルミナの表面電荷によってヨウ化リチウム中に生ずる空間電荷層が、ナノ構造により重なり合い、そこでの欠陥濃度が飛躍的に増加するという、ナノサイズ効果が発現することで、伝導度が向上した可能性が示唆された。 (3)負極:リチウム金属、正極:ヨウ素、とし、本研究で作製した電解質を用いた一次電池を作製した。その起電力を測定したところ、ヨウ化リチウムの分解電圧(2.8V)と一致した。このことから、本研究で作製した電解質は、純粋なリチウムイオン伝導体であることが示唆された。また、リチウムイオンの拡散係数測定をNMR法により行ったところ、伝導度と拡散係数の間にアインシュタイン式の成立を確認した。
|