研究概要 |
銅シャペロンと推定されるタンパク質と相同性のあるORF遺伝子AmDDを含むcDNAが単離した.AmDDのアミノ酸配列解析により,54-110位および136-178位の2ヶ所にheavy metal associated domainの保存配列とよく一致する領域が存在することが分かった.これらを踏まえて,AmDDがCuの取り込みを補助し,AmAS1の活性化に関与するのではないかと推定した.pESC Yeast Epitope Tagging vectorを用いて,AmAS1とAmDDを共発現するプラスミドを構築した.AmDDまたはAmAS1の一方のみを含むプラスミド(pESC-DD,pESC-ASfull,pESC-ASΔN,pESC-ASΔC,pESC-ASΔNC)で形質転換した酵母をコントロールとして,共発現プラスミド(pESC-DD-ASfull,pESC-DD-ASΔN,pESC-DD-ASΔC,pESC-DD-ASΔNC)で形質転換した酵母の破砕液を粗酵素として,酵素アッセイを行った.しかし,コントロールと比較して反応生成物の顕著なピークを検出することはできなかった.粗酵素液の添加量および反応時間を増やしても,同様の結果が得られた.抗AmAS抗体を用いたウェスタンブロット発現解析を行った結果,発現タンパクの推定分子量(AmAS1 full;64kDa,AmAS1ΔN;57kDa,AmAS1ΔC;47kDa,AmAS1ΔNC;41kDa)と一致した単一のバンドを検出することができ,目的のタンパク質が発現していることが確認できた(Data Not Shown).ただし,SDS-PAGEで分析した後,クマシー染色を行ったところ,コントロールと比較して顕著なバンドの差は見られなかった.
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