研究課題/領域番号 |
14655317
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
半那 純一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00114885)
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研究分担者 |
舟橋 正浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90262287)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 液晶 / 有機半導体 / 強誘電性 / 移動度 / 液晶性有機半導体 / 自発分極 |
研究概要 |
液晶性有機半導体の化学修飾により、SmC^*相を利用して強誘電性を発現させ、高速のスウイッチング機能を有する液晶性有機半導体をを開発が可能であるかどうかを、材料面と物性面から検証することを目的として、(1)2-phenylnaphthalene、及び、Pyrimidinylbiphenyl誘導体を基本構造として、光学活性部位をもつ側鎖部に導入しSmC^*相の発現を検討した。6-(R)-methyloctyl基、6-(R)-methyloctanoyloxy基、あるいは、2-(R)-methylbutyloxy基をnaphthaleneの2位に側鎖部に導入し、それそれ負の誘電異方性を示すSmC^*相(それぞれ、114℃-131℃、115℃〜128℃、117℃〜123℃)の発現に成功した。この相では電場の印加による液晶ドメインの応答と、セル厚2〜4μmが薄いセルでは外部電場を取り除いてもその配向を維持するメモリー性が確認できた。さらに、Time-of-flight法による電荷輸送特性の評価から、これらの相では分子配向秩序が同等のSmA相と同じ10^<-4>cm^2/Vs台の移動度を示すことが確認できた。このことは、原理的に高速のスイッチング機能を有する液晶性有機半導体をを開発が可能であることを示唆している。一方、これらの材料系の負電荷の輸送は高速の電子伝導が消失し、10^<-5>cm^2/Vs程度のイオン伝導と考えられ遅い伝導のみが観測された。これは、本来、これらの物質がイオン伝導をするということではなく、むしろ、合成の際の不純物の混入が原因であろうと推測される。つぎにこれらの物質の自発分極を三角波法による測定から見積もったところ、いずれも1[nC/cm^2]以下と極めて小さいことが分かった。これは、不斉炭素における置換基が双極子モーメントの小さいmethyl基であるため、小さな負の誘電異方性しか実現できていないことによるものと考えられた。基本原理を確認できたことから、強誘電性液晶として入手可能な4'-2-(R)-Fluorooctyloxy pyrimidiny-4' -pentylbiphenylを用いて、SmC^*相での自発分極、及び、電荷輸送特性を検討した。この材料物質は106℃〜156.2℃でsmC^*相を示し、三角波法により測定から286nC/cm^2の大きな自発分極を示すことが分かった。しかしながら、正、及び、負の電荷輸送は、いずれも、10^<-5>cm^2/Vs程度の遅い伝導しか観測されず、また、この移動度はこの物質の示すN相での移動度に比べても小さいことから、この伝導はイオン伝導によるものと考えられ、不純物の混入が疑われた。そこで、この物質をさらに、再度、カラムクロマトグラフィー、及び、再結晶により精製を繰り返したが、移動度の改善は認められなった。大きな自発分極を有する強誘電性液晶材料については今後さらに検討をすすめる必要があるものの、本研究の当初の目的は達成できたものと思われる。
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