研究課題/領域番号 |
14655322
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 昇 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40037817)
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研究分担者 |
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (10274531)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | PTCサーミスタ / 高温 / ペロブスカイト型酸化物 / 相転移 / 相転移温度 / 部分置換 / 電気抵抗 / 結晶構造 |
研究概要 |
これまで報告例のあるPTCサーミスターの最高使用温度は400℃程度であるのに対し、本研究のペロブスカイト型酸化物は800℃以上の高温でPTC現象を発現することを見出した。以下に、得られた成果について示す。 (1)ABO_3で表されるペロブスカイト型酸化物において、BサイトをCoとFe、AサイトをBaとするBaCoFeO_3は800〜950℃で六方晶から立方晶へ相転移し、これに伴い電気抵抗の急激な増大が観察された。 (2)上記BaCoFeO_3の相転移温度(電気抵抗の増大)はAおよびBサイトの置換元素および置換量に大きく依存することがわかった。つまり、BサイトのFeとCoの比では、Co量を多くすると相転移温度(電気抵抗の増大)は低温側にシフトし、Bサイトの一部をCrで一部置換すると高温側へシフトした。さらに、Aサイトの一部をCaやSrで置換すると低温側へシフトすることも明らかになった。 (3)Aサイトの置換元素の種類によって電気抵抗の変化量も異なることを見出した。Caで部分置換した系では少量の置換で電気抵抗の変化量が減少するもののSrで部分置換した系では全体の電気抵抗変化量が小さく、置換量を大きく変化させても大きな変化量は見られなかった。 (4)上記(2)および(3)について高温X線回折法を用いて解析を行ったところ、結晶構造が六方晶から立方晶へ相転移する際に両結晶系に属さない第3相が僅かに存在することがわかった。この結晶相の詳細と、各置換系の結晶相転移とPTCの相関については現在検討中である。
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