研究課題/領域番号 |
14655335
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (00111922)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 金属アート錯体 / コバルト / グリニャール反応剤 / ヘック反応 / ラジカル反応 / エポキシド / Heck反応 / アリル化 / 四級炭素構築 / カップリング反応 |
研究概要 |
遷移金属触媒を用いた炭素-炭素結合生成反応は古くから盛んに研究されている。当研究室では近年コバルト触媒からの一電子移動によってできるラジカル種を利用したハロゲン化アルキルとスチレンの溝呂木-ヘック型カップリング反応を見いだした。今回ハロゲン化アルキルの代わりにエポキシドを用いることでβ-ヒドロキシアルキルラジカルが生成し、スチレンと反応させることでホモシンナミルアルコールが生成することを見いだした。 アルゴン雰囲気下、臭化コバルトと1,6-ビスジフェニルホスフィノヘキサンをエーテル中室温で30分撹拌しコバルト錯体を調製する。ここにシクロペンテンオキシドとスチレンを加えた後、0℃で臭化トリメチルシリルマグネシウムのエーテル溶液を作用させ、室温で20時間撹拌した。常法どおりの後処理を行うとエポキシドが開環しスチレンとカップリングしてできるアンチ体のホモシンナミルアルコール誘導体が81%の収率で得られた。 また基質としてプロピレンオキシドを用いたところ、エポキシドの1位にスチレンが付加した化合物が主生成物として得られた。このことから本反応の反応機構は次のように考えられる。コバルト反応剤から直接エポキシドに一電子移動が起きて対応するラジカルが生成したのではなく、まず系中の臭化マグネシウムの作用によりブロモヒドリンのマグネシウム塩が生成する。これに対しコバルトから一電子移動が起こりラジカルが生成する。ラジカルがスチレンに付加しベンジルラジカルが生成した後コバルトと再結合し最後にβ水素脱離がおこる。
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