研究課題/領域番号 |
14655346
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
|
研究機関 | 山形大学 (2003-2004) 名古屋大学 (2002) |
研究代表者 |
幅上 茂樹 山形大学, 工学部, 助教授 (30252266)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | ラジカル重合 / α-(置換)アクリル酸エステル / ポリクラウンエーテル / ビニルポリマー / アルカリ金属イオン抽出能 / 官能基選択的重合 / ナノチューブ状空間 / マクロライド / 立体特異性重合 |
研究概要 |
これまでの研究で、様々なクラウンエーテル型の構造を有するマクロ環状α-(アルコキシメチル)アクリル酸エステル誘導体のアニオンおよびラジカル重合により、ビニルポリマー骨格を有するポリマーが選択的に得られること、さらに、これらのポリマーが、マクロ環が主鎖上に垂直かつ連続的に固定化されたユニークな構造に基づくと考えられる、特徴的なアルカリ金属イオン抽出能や人工イオンチャンネルとしての機能を示すこと、などを明らかにしている。そこで、マクロ環上に1-あるいは2-ナフトイル基を有する16員環のアザクラウンエーテル型構造からなるマクロ環状モノマーを合成し、そのラジカル重合により得られたポリマーの機能について検討した。いずれのモノマーからもポリマーが収率良く得られ、またこれらは5000〜6000程度の数平均分子量を有し、クロロホルムやTHFなどの有機溶媒に可溶であった。NMRによる分析からいずれもビニルポリマー骨格を有するポリマーが選択的に得られていることが確認された。得られたポリマーのアルカリ金属イオン抽出能を評価したところ(1,2-ジクロロエタン/水)、モノマーがいずれもカリウムイオン選択的に取り込むのに対して,1-ナフトイル基を有するポリマーはナトリウムイオンを、一方、2-ナフトイル基を有するポリマーはカリウムイオンを選択的に抽出し、側鎖のわずかな構造の違いがポリマーのアルカリ金属イオン抽出能に大きな影響を与えることが明らかとなった。さらに、アセトニトリル中でのアルカリ金属イオンとの相互作用をUV吸収変化により測定した結果、2-ナフトイル基を有するポリマーとリチウムイオンを混合したときのみ、大きな吸収強度変化が認められ、このポリマーがリチウムイオンに対する高い認識能を有すること、また、側鎖の構造がポリマーの機能に大きな影響を与えることが再び示された。
|