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ポリチアヘテロヘリセンの新しい合成と分子ソレノイドの創出

研究課題

研究課題/領域番号 14655350
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 高分子合成
研究機関早稲田大学

研究代表者

西出 宏之  早稲田大学, 理工学部, 教授 (90120930)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードらせん高分子 / ソレノイド / 分子内閉環反応 / ポリフェニレン / パイ電子 / 円偏光二色性 / ヘリシティ / Cotton効果 / ポリフェニレンオキシド / 不斉酸化 / 酸化重合
研究概要

純有機物質での「分子ソレノイド」(有機導線でつくられたナノサイズの電磁石)はその特異な光学特性や高度に制御された三次構造から新たな物質系として期待される。本研究では、チオフェン環を含むらせん型芳香族高分子「ポリチアヘテロヘリセン」を設計・合成した。さらにらせんの巻き性の新たな制御法を見出し、またらせんに沿った電子伝導の生起をシミュレーションから理論予測した。
(1)ベンゾチオフェン型共役らせん高分子の合成とヘリシティの制御
Pd触媒を用いたカップリング反応によりキラルアルキルチオ置換ポリ(1,3-フェニレン)を合成、側鎖を酸化した。続いて、強酸中での分子内閉環を経て、ポリ(チアヘテロヘリセン)を構造欠陥なく得た。前駆未閉環体はクロロホルム/アセトニトリル(貧溶媒)混合溶液中では270-310nmの領域に3つのCotton効果を示し、そのCD強度は溶液塩度とともに著しく減少した。それに対し閉環重合体のCDはクロロホルム溶液中でも275-330nmに4つのCotta効果を示し、そのCDスペクトル・強度はともに溶媒、溶液温度に依存することなく一定であった。これより、得られたポリチアヘテロヘリセンが巻き性が制御されかつ剛直ならせん構造を有していることが明らかとなった。
(2)らせんに沿った電子伝導の理論予測
分子ソレノイドを見据えて、ポリチアヘテロヘリセンの電子伝導をシミュレーションから理論予測した。モデルとしてベンゾチオフェンが4つ縮合した分子を設定し、これを2つの金電極間に金-チオール結合で結合させたものに対して、電極間の電圧と電子透過度の関係を計算した。電圧-電子透過度の計算結果は金のフェルミ準位付近でのらせん鎖に沿った電子透過を示した。これは低い電圧下でもらせん鎖に電流が発生することを示唆しており、分子ソレノイド創出の確かな足掛かりとなった。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Tagami, 他4名: "Electronic Transport of Benzothiophene-based Chiral Molecular Solenoids Studied by Theoretical Simulations"J.Chem.Phys.. 119. 7491-7497 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] K.Oyaizu, 他3名: "Linear Ladder-Type -Conjugated Polymers Composed of Fused Thiophene Ring Systems"Macromolecules. 37. 1257-1270 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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