研究課題/領域番号 |
14656034
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北本 勝ひこ 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20272437)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 麹菌 / 糸状菌 / オロニン小体 / 隔 / 溶菌 / ペルオキシソーム / 隔壁孔 |
研究概要 |
糸状菌は、連続した細胞からなる微生物であり、隔壁には細胞質が連絡できる孔が存在する。オロニン小体は糸状菌に特異的なオルガネラであり、連続した細胞間の隔壁孔の近傍に存在する電子密度の高い球状の形態として観察される。本研究は分子レベルでオロニン小体の機能およびその動態制御を解析しようとするものである。オロニン小体はペルオキシソームの一形態とも推定されているので、この点について分子レベルで解析することは興味深いと思われる。これまでに、麹菌A.oryzaeから、オロニン小体を構成するタンパク質をコードするhexA遺伝子を単離したところ、C末端にペルオキシソーム局在配列を有していた。昨年度は、取得したhexA遺伝子破壊株でオロニン小体が消失したのを確認した。 今年度は、溶菌条件の検討のなかで、寒天培地に生育させたA.oryzaeの菌体に水をかけると、先端細胞から細胞質が吹き出して溶菌する現象を発見した。溶菌した先端細胞に隣接する2番目の細胞を観察したところ、野生株では隔壁を境に溶菌の伝播が防がれたものの、hexA遺伝子破壊株では2番目の細胞も溶菌していた。一方で、HexAの局在については赤色蛍光タンパク質DsRed2で、隔壁については緑色蛍光タンパク質EGFPを融合した分泌タンパク質で、2重で可視化した。共焦点レーザー顕微鏡で取得した像を三次元構築したところ、溶菌細胞に隣接する隔壁孔にあたる部分にHexAの局在が確認された。これらの結果から、HexAが菌糸損傷時に隔壁孔をふさぎ、溶菌の伝播を防ぐことを、細胞レベルで直接示すことに成功した。また、HexAアミノ酸配列にカルモジュリン結合配列を発見し、in Vitroでの結合を確認した。これは、HexAの溶菌制御機構を探るうえで興味深い知見である。
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