研究課題/領域番号 |
14656037
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北川 泰雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50101168)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | RNA干渉法 / ノックアウトマウス / インターフェロン / アポトーシス / マウス初期胚 / T遺伝子 / 中胚葉 / ササン解析 |
研究概要 |
2本鎖RNA(dsRNA)による特定遺伝子のRNA干渉法(RNAi)は、ノックアウトマウスに比較べて操作が簡便なので、これに取って代わる技術になる。しかし、RNAiはあらゆる生物系で機能するのではなく、インターフェロン経路を介する「非特異的mRNA分解機構」が優先的に作動する哺乳動物系では、狙ったmRNAの特異的分解が起こる前にアポトーシス機構が作動してdsRNAを取り込んだ細胞が死ぬために目的を達せられない。この非特異的RNA分解を回避するには、1)インターフェロン経路が未発達の初期発生段階で発現する遺伝子を標的にする。2)インターフェロン経路が認識する長鎖dsRNAの使用を避け、標的mRNA配列中の30塩基以下の長さの配列を逆位反復配列として組み込んだベクターを用いてトランスジェニック(TG)マウスを作製し、その発現産物が短鎖dsRNAとなってRNAiを引き起こす様な実験を設計するなどの対策がある。今回の研究では、両基準を満たすべく、マウス初期胚円筒胚(6-7dpc)で発現してnotocode等の中胚葉系を誘導するBrachyury (T)のRNAiを試みた。Brachyury (T)のRNAiが機能した時には、ヘテロ変異体の表現型である尾が短い形質が現れると期待したからである。また、TGマウスを作製するためのベクターとしてBrachyury (T)遺伝子のORF配列中の952ntおよび996ntより下流の23塩基分の配列をmouse U6 promoterの影響下に逆位反復配列として発現するものを設計した。この受精卵注入によって約50頭のマウスを得たが、それらの何れもが正常長の尾を持っていたので、今回の実験ではBrachyury (T)のRNAiは作動しなかったと結論した。念のために、尾から抽出したゲノムDNAに対するササン解析を行ったが、50頭のマウスから抽出した全ての標本に対して巨大DNA部分に弱いバンドが検出されただけであった。
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