研究概要 |
Pin1とhPar14のプロリルイソメラーゼ活性を阻害する低分子合成化合物を、ペプチド・酵素蛍光法によって発見した(Chemistry and Biology(2003) 10, 15-24.)。一方、我々は、hPar14がプリオン蛋白と結合することを表面プラズモン共鳴測定によって明らかにしたので、この阻害剤がhPar14とプリオン蛋白との結合を阻止するかどうかを検討したが、残念ながら阻止はしなかった。 Pin1が脳内でリン酸化tauと結合して、tauの構造を変化させることが報告されている。したがって、Pin1がBSEの発症になんらかの関連があることも考えられる。そこで、我々はPin1欠損マウスがBSEにかかりやすくなるかどうかを検討し始めた。この研究のために、各10数匹の同腹のPi1(+/+,+/-,-/-)マウスを用意した。現在伝播試験を行ってもらっている最中で、結果はまだでていない。BSEの発症にPin1がいかにかかわるかについては、マウスを用いてさらに検討を続けている。
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