研究課題/領域番号 |
14656056
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 正 京都大学, 農学研究科, 教授 (80027193)
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研究分担者 |
高橋 浩司 (独)農業研究機構, 研究員
森山 達哉 京都大学, 農学研究科, 助手 (60239704)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 感染特異的タンパク質 / 食物アレルギー / アレルゲン / エリシター / 植物性食品素材 / 二十日大根 / 大豆 |
研究概要 |
食物アレルギー患者のIgE抗体が認識する植物性食品素材のタンパク質の多くは、植物が病原体の侵入、外注の食害、環境ストレスに対して発現する感染特異的タンパク質(PR-P)あるいはディフェンスタンパク質(DP)と呼ばれているグループに帰属される物が多い。もし、この仮説が正しいとすると、厳しい環境下で生育した植物性食品素材は、植物アレルギー患者にとっては、アレルゲン性の高い食品となってしまう。食物アレルギー患者の健全な食生活を確保するためには、これらのリスクの小さい作物の供給される必要がある。従って、本研究では、食品素材のアレルゲン性(患者血清との反応性)が栽培条件・環境条件よってどのように変化するかを解明することを目的とした。 (1)温室栽培が容易な、二十日大根をストレスなしと、除草剤散布(エリシター作用のあるヒドロキシ安息香酸)によるストレス負荷による患者血清中のIgE抗体反応性を、個々のタンパク質について追跡した。 (2)大豆について、路地での栽培において、新しい農薬としてベンダゾンの散布が、大豆胚乳タンパク質アレルゲンに対してどのような影響を与えるかを検討した。 (3)いずれの場合のおいても、ストレス負荷によって、患者血清中のIgE抗体が認識するタンパク質成分の多くが、産生を促進され、コントロールに比して蓄積することを明らかにした。又逆に、全ての成分が増加する野でなく、一部のアレルゲン成分には、減少する物が観察された。 (4)これらの成分に内、増加する物についてN-末端アミノ酸シーケンスを解読し、相同性検索を行ったところ、明らかにPR-Pとして報告されているタンパク質に帰属される物が存在した。これらの多くは、過酸化酵素や、参加還元酵素類に属する物が多いことが示された。 (5)結論として、ストレス負荷が植物性食品素材の感染特異的タンパク質の産生を刺激し、アレルゲン性の増加につながること事実を立証した。
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