研究課題/領域番号 |
14656068
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東 順一 京都大学, 農学研究科, 教授 (80115782)
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研究分担者 |
西尾 嘉之 京都大学, 農学研究科, 教授 (00156043)
武田 博清 京都大学, 農学研究科, 教授 (60109048)
大澤 直哉 京都大学, 農学研究科, 講師 (10221821)
坂本 正弘 京都大学, 農学研究科, 講師 (40303870)
大園 享司 京都大学, 農学研究科, 助手 (90335307)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | セルロースハイドロコロイド / サルビア / ヤドリギ / メボウキ / セルロース / ヘミセルロース / コンポジット / ナノセルロースミクロフィブリル / バジル / サルビヤ / viscin組織 |
研究概要 |
インドネシア産の10種のメボウキ属のkemangiあるいはselasihと呼ばれる植物の種子について、水中に浸漬したところ、tenuiflorumとgratissimumを除く7種のOcimumの種子の表層が吸水して膨潤することがわかった。そこで、これらの7種の種子のサイズ、膨潤して生成したセルロースハイドロコロイドの含量等を分析した結果、西スマトラ産とO.basilicum green以外の種子についてはセルロースハイドロコロイドの含量がほぼ27〜28%の範囲であり、化学的性質もアラビノガラクタンに富むヘミセルロースをもつという共通点があることがわかった。また、種子表層をLVSEMで観察した結果、exocarp、mesocarp、endocarpの三層からなり、最外層のexocarpのみが吸水・膨潤することがわかった。この層は円筒状の細胞とそれを支持するロート状の細胞からなり、円筒状の細胞のみが膨潤することもわかった。また、吸水時に直径が数ミクロンのデンプン粒が円筒状細胞の内孔に飛び出してくることもわかった。さちに、Bandungにて市販されており比較的安価で利用が可能な二種の種子(大サイズと小サイズ)についてグラムオーダーでセルロースハイドロコロイドを分取し、その化学的性質を分析した。その結果、セルロース(大サイズ、30.6%;小サイズ、29.2%)及びヘミセルロース(大サイズ、43.6%;小サイズ、63.6%)からなるコンポジットであり、セルラーゼ製剤による分解性が高いことを証明した。また、保水性も20.8ml/g(大サイズ)及び20.6ml/g(小サイズ)と高いことを示した。 一方、11種のアキギリ属のサルビアの種子について水中に浸漬すると種子の表層が吸水して膨潤することをみいだした。また、膨潤の原因が、メボウキ属と同様にexocarp、mesocarp、endocarpの三層からなる表皮の最外層のexocarpのみの吸水に伴うセルロース・ヘミセルロースコンポジットの水層への突出にあることをLVSEMでの観察により示した。メボウキ属との差は、デンプン粒が存在せず、円筒状細胞を支持するロート状細胞の発達が未熟であることにあった。また、SEM-EDAXにより、mesocarp領域に円盤状のカルシウムに富む成分が整然と並んでいることも見出した。セルロースハイドロコロイドの含量は4.0〜15.5%と種による変異が大きく、含まれているヘミセルロースの種類・量が多様であった。しかし、両ハイドロコロイドは共にセルラーゼ製剤により良好に生分解された。 さらに、セルロースハイドロコロイドを生産するヤドリギの果実からmRNA及びDNAの解析の結果、セルロースを生合成する遺伝子のクローニングに成功した。
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