研究課題/領域番号 |
14656102
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
土井 守 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60180212)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アカウミガメ / 性ステロイドホルモン / カルシウム / 卵殻構造 / 発生過程 / 卵胞発育 / カメ胚の培養 / 卵白蛋白質 |
研究概要 |
和歌山県日高郡南部町千里の浜と愛知県渥美郡渥美町恋路が浜に産卵のため上陸したアカウミガメから採取した卵を用いて、1)受精卵の移植前後の発生率の変化と最適な移植時期の検討、2)発生の進行に伴う胚の固着現象の意義、3)発生過程で生じる卵殻の白濁現象の組織学的解明並びに卵白蛋白質成分の変化、5)飼育下の雌雄アカウミガメの繁殖生理に関する内分泌学的研究について実施した。 1)産卵直後から産卵後16時間以内に転卵(移植)を行うと発生の停止が起こらないことや、産卵後約30日以降に行った場合でも発生率の低下が抑えられる可能性も推察できた。 2)胚が固着する卵殻上部(切断径3cm/卵殻径4cm)の卵殻と卵殻膜を切断除去した状態で培養を進行させると、卵黄上部に位置した胚が培養7日目には卵殻(膜)切断面まで移動し、培養後約30日を越えると胚の固着強度が弱まり、培養後50日以降に水分吸収による卵殻内圧の上昇が起こった後、2個体正常に孵化した。 3)卵殻の白濁部と非白濁部を詳細に検討した結果、組織学的な違いは認められなかったが、水分の透過性の違いが卵殻の両域を形成するものと思われた。また、発生の進行に伴って分子量約40000の蛋白質の出現と消失が認められた。 5)飼育下雌個体の血中エストロジェン濃度と非透過性カルシウム濃度は6〜8月から上昇し、翌年の4〜5月に最も高い値を示し5〜6月に低下する年周期を示した。また、血中プロジェステロン濃度は4〜5月中旬に急激に上昇した。一方、雄の血中テストステロン濃度は、測定開始時の1月以降5〜6月にかけて高い値を維持し、特に3〜4月で激しい変動幅が確認され、同時期に追尾などの性行動も観察された。 以上の研究より、アカウミガメの発生学的または繁殖生理学的な基礎的知見を明らかにすることができ、これらの結果は今後の保護対策に大いに役立つものと考えられた。
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