研究課題/領域番号 |
14657026
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
谷山 紘太郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70030898)
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研究分担者 |
上園 保仁 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20213340)
貝原 宗重 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40274633)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 創薬 / GABA-B受容体 / heterodimerization / Xenopus oocyte / G蛋白共役型受容体 / FRET / Electrophysiology / heterologous expression |
研究概要 |
本研究は、クローン化GABA-B受容体を発現させた細胞を用いて、3つの異なるアッセイ系を用いて、すなわち、(1)発現受容体の細胞内局在を免疫組織学的、ならびに共焦点レーザーを用いて特定し、(2)発現受容体の多量体化・複合体化をFluorescence Resonance Energy Transfer(FRET)を用いて可視化し、さらに(3)GABA-B,AM受容体刺激後のシグナル伝達機構を電気生理学的にアッセイし、機能的GPCR形成の分子メカニズムを総合的に解析しようとするものである(平成14年)。これらのシステムの最適化の後、受容体複合体化・多量大化に影響を与える薬物のスクリーニングが可能であるかどうかを検討し、検討可能なシステムであるとして確立されれば、「GPCRの多量体化・複合体化を調節する薬物」の探索と創薬を行うための基礎データをこの研究期間内に集積する(平成15年)。 (1)については、細胞膜上に機能的受容体が発現するときにはすでに細胞内で受容体が複合化しているという知見を得た。またHeat shock protein 90の活性阻害薬であるゲルダナマイシンが細胞膜への受容体の移動、さらにはおそらくゴルジでのdimerization形成を抑制するという知見を得ている。(2)については、GABAB1aR-CFP,GABAB2R-YFPクローンを用いて、この両者がdimerizationを起こして細胞膜に発現していることをFRETにて確認できた。さらにはFRETを定量化できるマルチ蛍光メーターを用いて、Dimerization化におけるアゴニストの作用についてもリアルタイムで測定できるところまでアッセイ系を最適化した。(3)については、GABAB-1R、GABAB-2Rを用いてアフリカツメガエル卵母細胞に機能的な受容体を発現させ、GABAの結合に必要な受容体サブタイプ、また、シグナルを下流に伝えるのに必要不可欠なサブタイプについて、どちらがその役割に関与しているかどうか検討し、結合にGABAB1aRが、そし下流へのシグナル伝達にはGABAB2Rがその役割を担っていることを証明できた。この萌芽研究での目的であった「機能的であるためにDimerizationを必要とする受容体」の創薬において、1)Dimerizationに影響を与える薬物、Dimerizationの細胞膜への発現ならびにインターナリゼーションに影響を与える薬物のスクリーニングが可能な統合アッセイ系を構築できた。今後はこのアッセイ系を有効に用いて、薬物スクリーニングを行っていく所存である。
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