研究課題/領域番号 |
14657082
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西村 泰治 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10156119)
|
研究分担者 |
入江 厚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30250343)
千住 覚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (50274709)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ES細胞 / 樹状細胞 / 分化誘導 / 遺伝子改変 / ジーンサイレンシング / Th細胞 / 遺伝子トラップ / Cre-Loxシステム / 遺伝子の標的置換 / Cre-Lox / T細胞 |
研究概要 |
我々は、遺伝子改変により樹状細胞に抗原と種々の免疫制御分子を同時に発現させ、これを生体に投与することにより、抗原特異的に免疫応答を制御する方法の開発をめざしている。遺伝子改変の方法としては、ES細胞に対して遺伝子導入を行い、これをin vitroで樹状細胞へ分化させる方法を用いる。この方法には、ES細胞が遺伝子の発現を不活性化する(ジーンサイレンシング)強い活性を持つために、外来遺伝子を染色体DNAにランダムに挿入した場合、遺伝子導入ES細胞を未分化状態で維持している間に導入遺伝子の発現が不活化されてしまう、という問題がある。そこで、遺伝子トラップES細胞クローンへの遺伝子標的導入により、この問題を解決することを試みた。LacZ遺伝子をマーカー遺伝子として遺伝子トラップを行ったES細胞クローンのライブラリーにおいて、分化前のES細胞と分化後の樹状細胞のLacZ活性を測定し、樹状細胞において高いレベルのLacZ活性を発現するES細胞クローンを選択した。遺伝子トラップES細胞クローンには、マーカー遺伝子であるLacZ-Neoの前後にlox配列が挿入されており、Cre-Loxシステムを用いることにより、ES細胞の段階でLacZ-Neo-Rを任意の遺伝子に容易かつ高い効率で置換することが可能であった。このシステムを用いた遺伝子標的導入により、樹状細胞に分化した後に、導入遺伝子を高いレベルで発現する遺伝子導入ES細胞クローンを効率よく作製する手法を確立した。今後、この方法を利用して、細胞傷害性を誘導する分子、あるいは種々のサイトカインや転写因子など、ES細胞から樹状細胞への分化に影響を及ぼす可能性のある分子を発現させた樹状細胞を作製することが可能になり、これを基礎および応用免疫学研究に利用できると期待される。
|