研究課題/領域番号 |
14657101
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
井谷 徹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00072661)
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研究分担者 |
武山 英麿 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50347407)
城 憲秀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10137119)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 身体障害者 / VDT作業 / 表面電極筋電図 / 作業負担 / 局所筋負担 / 障害者 / Borg's New RPE |
研究概要 |
本年度は、身体障害者のVDT作業に有効な改善策および局所的自覚疲労感の検証を行った。頚椎(C5〜C7)損傷者2名(電動車椅子利用)の協力を得て、実験室内でVDT作業を行ってもらった。実験条件は昨年度の研究より得られた知見を基に、障害者の作業改善策に有効と思われる(1)作業面高の調整、(2)操作部への接近配置について、局所筋負担を測定した。局所筋負担は短橈側手根伸筋、肩部僧帽筋、三角筋前部・中部の表面筋電図を測定、APD分析した。また、頚椎損傷者は局所的かつ即時的な自覚疲労感を適切に検知できていないことが昨年度の研究で示唆されたことから、自覚疲労度(VAS法による全身疲労感)および局所的自覚疲労感(Borg's New RPE)について、経時的な変化(45分作業×4セット、作業間休憩:15分、各作業前後を記録)を測定し、併せて作業姿勢変化(ビデオ画像分析)を記録した。 結果として、(1)適正な作業面高に調節するだけではなく、「体幹と操作部(キーボード・マウス)が接近すること」が局所筋負担軽減に有効であること、(2)全身疲労感は時間経過に伴い対数関数的に増加するが、上肢・腰部の局所的疲労感は経時変化として訴えはほとんど表れず、即時的疲労・局所違和感を把握するのは困難であること、(3)VDT作業中の自律的姿勢変化・副次行動は少なく、同一姿勢保持のまま長時間作業を継続していること、(4)筋電位の周波数分析により、継続的な作業に伴い低周波成分が増加する傾向を示したこと(筋疲労が増加)、が明らかとなった。以上の結果より、頚椎損傷者は即時的な局所自覚疲労感を検知できないため、既存の局所疲労感調査ツールを用いることはできないが、筋電図や作業パフォーマンスと組み合わせて「全身疲労感」をひとつの指標として用いることができる可能性が示された。
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