研究課題/領域番号 |
14657131
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
篠村 恭久 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90162619)
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研究分担者 |
中原 征則 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
清原 達也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50322178)
宮崎 義司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303960)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 転移 / 大腸癌 / 悪性黒色腫 / HGF / EGF / 胃癌 |
研究概要 |
マウス悪性黒色腫の転移能の高い細胞株から単離した新規遺伝子MLZEは悪性黒色腫ばかりでなく消化器由来の癌細胞株でも発現する。大腸腺腫、木腸癌および肝転移巣でのこの遺伝子の発現を検訂した結果、この遺伝子が大腸腺腫では発現せず大腸癌とその転移巣で発現していることを明らかにした。MLZEの機能を明らかにする目的でMLZE遺伝子をラット腸管上皮由来の細胞株IEC6細胞に遺伝子導入して細胞形態、増殖能、運動能を検討した。その結果、MLZE遺伝子導入細胞株は運動能が亢進することが明らかになった。細胞運動を亢進させる機序を明らかにするため、消化管上皮細胞の運動能を高める因子であるHGFおよびEGFによってMLZEが活性化されるかどうかをIEC6細胞において検討した。HGFおよびEGFの刺激はMLZE発現量を変化させなかった。MLZE蛋白は細胞質全体のびまん性に分布するが、GFP融合MLZE蛋白を強制発現した細胞においてHGFおよびEGFの刺激は融合蛋白の核内移行を惹起させなかった。したがって、MLZEはHGFおよびEGFによる運動能の亢進には関与しないと考えられた。MLZEはロイシンジッパー構造を持ち、ここを介して他の分子と結合する可能性がある。そこで、免疫沈降で結合相手の同定を試みた。MLZEを発現する細胞株3種の細胞抽出液を抗MLZE抗体で免疫沈降して電気泳動したが、3つの細胞株で共通するバンドは得られなかった。次にMLZEが生体内で癌細胞の転移能を亢進させる働きがあるかどうかをマウス転移モデルで検討した。MLZE発現量の少ない低転移性悪性黒色腫細胞株F10にMLZE遺伝子を導入して高発現株を作成し、これをマウス皮下に接種して肺転移能を調べたが、転移能に変化を認めなかった。
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