研究課題/領域番号 |
14657151
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
水澤 英洋 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30144091)
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研究分担者 |
山脇 正永 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (30302855)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | エイズ脳症 / HIV / 神経細胞死 / アポトーシス / TRAIL / マクロファージ |
研究概要 |
エイズ脳症患者で起こっている神経細胞のアポトーシスのメカニズムを解明するために、エイズ脳症患者の剖検脳、エイズ脳症動物モデル、そしてマウス神経細胞を使用した培養系を確立し、解析を行った。エイズ脳症患者の剖検脳では、TUNEL染色陽性、活性型カスパーゼ3および8陽性の神経細胞が見られ、また、TRAIL陽性のマクロファージが浸潤していた。次にヒト細胞を移植したHIV感染マウスモデルの脳ではTUNEL染色陽性の神経細胞が血管周囲領域に見られ、さらにTRAIL陽性のウイルスに感染したマクロファージが浸潤していた。また、このマウスに対する抗TRAIL抗体の腹腔内投与により神経細胞死は著明に抑制された。このモデルマウスにおける研究成果はProceeding of the National Academy of Sciences of the United States of Americaに掲載が決まり、現在印刷中である。次に、細胞培養実験系を用いて、HIVに感染したマクロファージとTRAIL分子が神経細胞にアポトーシスを誘導するかどうかを調べた。マウス神経細胞グリア細胞混合培養系にHIVに感染したヒト単球由来マクロファージを共培養すると神経細胞のアポトーシスは有意に増加した。さらにこの培養系ではHIVに感染したマクロファージにTRAIL分子が発現していた。次に、マウス脳混合培養系にヒトTRAILを過剰発現させたマウス細胞を共培養するとのアポトーシスは有意に増加した。これらの結果からHIVに感染した脳では、HIVに感染したマクロファージに発現したTRAILが神経細胞のアポトーシスの誘導に重要であることが示唆された。これらの研究成果はJournal of Medical and Dental Sciences(第51号、2003年)に掲載されている。
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