研究課題/領域番号 |
14657154
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40183305)
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研究分担者 |
小副川 学 九州大学, 医学部附属病院, 医員
村井 弘之 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (80325464)
越智 博文 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (20325442)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | アトピー素因 / 脊髄炎 / ミエロパチー / 多発性硬化症 / 遺伝子多型 / 血漿型PAF-AH |
研究概要 |
本研究は九州大学大学院医学研究院遺伝子解析倫理委員会の承認を得たうえで行った。これまでにアトピー性疾患を伴う脊髄炎・ミエロパチー群43例(男24例、女21例)、多発性硬化症79例(男25例、女54例)、健常対照群89例(男56例、女33例)について、文書で同意を得たのち、末梢血単核球よりDNAの抽出を行い、血漿型platelet activating factor acety-lhydrolase(PAF-AH)を不活化する遺伝子変異(G994T)をPCR-RELF法にて解析し、GG(正常)、GT(ヘテロ)、TT(ホモ)の遺伝子型およびG allele、T alleleの対立遺伝子頻度の割合を検討した。アトピー性疾患を伴う脊髄炎・ミエロパチー群ではヘテロ6例、正常37例、多発性硬化症ではヘテロ19例、ホモ1例、正常59例(視神経脊髄型はそれぞれ12、1、24例、通常型はそれぞれ7、0、35例)、健常対照群ではヘテロ21例、ホモ3例、正常65例であった。その結果、3群間で血漿型PAF-AH遺伝子頻度と対立遺伝子頻度に有意な差を認めなかった。男女別で検討すると、アトピー性疾患を伴う脊髄炎・ミエロパチー群において、男性でGT/TT遺伝子型が健常対照群に比し有意に少なかった(4.2%vs.28.6%,P=0.0162)。多発性硬化症を視神経脊髄型とそれ以外の通常型に分類し、各病型間・男女別で解析したが有意な差を認めなかった。血漿型PAF-AHは炎症の増悪に関与するPAFを分解する酵素であり、その遺伝子多型を検討することは、炎症性疾患の病態を考える上で重要である。今回の検討で、アトピー性疾患を伴う脊髄炎・ミエロパチー発症における血漿型PAF-AHの関与が初めて示唆された。今後は、症例数を増やして更に検討していく予定である。
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