研究課題/領域番号 |
14657203
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高江 雄二郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306367)
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研究分担者 |
谷川 瑛子 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00203117)
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
永尾 圭介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40286521)
斎藤 京 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50286548)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | CD40L / CD156 / 自己免疫 / 自己抗体 / 天疱瘡 / モデルマウス / 免疫抑制療法 |
研究概要 |
本研究の目的は、我々が開発した天疱瘡モデルマウスを用いて、抗CD40L抗体の予防的、治療的効果を判定し、抗CD40L抗体の臨床的応用を目指した基礎実験を行うことである。CD40-CD40L阻害による自己免疫反応抑制は皮膚科領域の疾患の中で評価されたことがなく、抗CD40L抗体の効果を評価しその免疫抑制作用機序を解析することにより、臨床に還元できる新たな特異的免疫抑制療法の開発につながる。 平成15年度は、既に発症した天疱瘡モデルマウスにMR1を投与し、その治療効果を評価した。表現型の推移を天疱瘡スコアにて評価したが、MR1を投与したマウスは投与開始後42日にスコア値の低下を認めたがコントロールとの間に有意差を認めなかった。また組換えDsg3を抗原として用いたELISA法にて、Dsg3に対する抗体価はMR1投与マウスとコントロール共に投与開始から減少傾向が認められたが、両群の間に有意差を認めなかった。免疫を施さずに発症させた、ナイーブ脾細胞を用いて発症させた天疱瘡モデルマウスについても同様の検討を行ったが、表現型・抗体価ともにMR1投与マウスとコントロールとの間に有意差を認めなかった。以上のことから、一度抗体産生が開始した後ではCD40/CD40L相互作用を阻害するだけで抗体産生を抑制し、症状の改善を期待するのは難しいと考えられた。しかし平成14年度の結果から、抗体産生初期の時点でのMR1投与は、形態学的・病理組織学的に有効であり、また抗体産生抑制作用を明らかに,示した。重症な天疱瘡の治療において、ステロイド単剤では治療に難渋することが多い。MR1はステロイドや他の免疫抑制剤との併用により、抗体産生抑制作用の一助となり得、有効な治療薬として期待できると考えられた。
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