研究課題/領域番号 |
14657207
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
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研究分担者 |
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
小華和 征志 (小華和 柾志) 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90234806)
久下 裕司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70321958)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | emission tomography / deoxyglucose / tumor / glucose metabolism |
研究概要 |
1)悪性腫瘍の診断、評価に広く利用されているFDGは炎症にも集積するため、鑑別上の問題点が指摘されている。本研究ではPET検査におけるFDGの腫瘍や炎症への集積機序をブドウ糖代謝および膜輸送遺伝子の発現などの観点から明らかにすると共に種々の薬剤負荷を加えることで病変の鑑別診断に役立てることができるか否かを検討することを目指した。 2)昨年までの腫瘍モデルとブドウ球菌移植の感染およびテレビン油塗布の感染・炎症モデルに加えて、肉芽腫をもつ炎症モデルの作成に成功した。各々の病変にFDGを投与して集積性を見たところ、これまでの肉芽腫では感染・炎症モデルと異なり、腫瘍モデルと同等の高いFDG集積があることが示された。 3)癌細胞ではhypoxia-inducible factor-1α (HIF-1α)の発現が増殖能の亢進するとされている。このHIF-1αを抑制するdominant negative HIF-1α遺伝子を導入した膵癌細胞を用いて検討を行った結果、低酸素状態ではFDGの集積の亢進、GLUT1の発現と共に、増殖能が亢進していたが、dominant negative HIF-1α導入によりこれらを抑制できることが示唆された。 4)腫瘍と炎症の鑑別の目的でステロイドホルモンを前投与すると、炎症病変でのFDGの集積が著明に抑制されたのに対し、腫瘍へのFDG集積の低下はごく軽度であった。このことからこの負荷法がFDG-PET検査における病変の良悪の鑑別に役立つことが示唆された。また臨床で頻繁に利用されているステロイド治療はFDGを用いた腫瘍診断に大きな妨げにならないことも確認できた。
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