研究課題/領域番号 |
14657216
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 武宏 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10159981)
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研究分担者 |
大関 修治 大阪大学, 遺伝子情報実験センター, 助手 (80093384)
吉岡 靖生 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30379242)
田中 英一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324774)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / 放射線感受性 / 低酸素状態 / 酸素増感比 / 低酸素 / 放射線 / DNA損傷 |
研究概要 |
これまでにヒト繊維芽細胞と骨肉腫細胞においてミトコンドリアDNA(mtDNA)の有無はコロニー形成能で表される放射線感受性を直接には左右しないことを明らかにした。またmtDNAの有無は微小核形成能の大小にと相関し、その差は細胞内ATPレベルと対応しており細胞内ATP依存性の微少核形成経路の存在が示唆された。そこで今回低酸素状態での放射線感受性とミトコンドリアDNAの関連を明らかにするために低酸素状態でのコロニー形成能試験、微小核生成能試験、コメットアッセイを行った。使用した細胞はヒト繊維芽細胞と骨肉腫細胞で、それぞれmtDNAの有る親細胞株(ρ+細胞)、無い変異細胞株(ρ-細胞)を用いた。低酸素状態作成には、試験管内に300μlの細胞浮遊液を入れ、40分間窒素95%、二酸化炭素5%よりなる気体で置換を行った。 結果:酸素分圧測定では低酸素状態の酸素分圧は8mmHg以下であった。コロニー形成能試験、微小核生成能試験、コメットアッセイいずれの実験でも低酸素状態では放射線照射によりρ+細胞とρ-細胞共に著しい放射線抵抗性となった。コロニー形成能試験での酸素増感比はほぼ3であった。コロニー形成能試験とコメットアッセイではρ+細胞とρ-細胞間の差は認められなかった。しかし微小核生成では低酸素状態においてもρ+細胞の微小核生成能がρ-細胞より大きかった。40分間の気体置換による低酸素状態におけるATPレベルの変化を測定した所、有酸素状態と比較してATPの有意な減少はなかった。 考察:今回の低酸素実験ではATP量の変動はなかったが、これまでの報告と同様酸素増感比は3倍を越え放射線感受性は大きく低下した。したがって今回の放射線感受性低下は放射線による障害-特に間接作用・ラジカルの減少によるものと考えられる。
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