研究課題/領域番号 |
14657227
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00292699)
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研究分担者 |
橋本 謙二 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10189483)
伊豫 雅臣 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50191903)
村松 喬 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00030891)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | midkine / 神経栄養因子 / サイトカイン / 統合失調症 / 海馬 / ミッドカイン |
研究概要 |
統合失調症(精神分裂病)の患者血清におけるミッドカイン(MK)濃度を測定したところ、0.8ng/mLを超える異常高値を示さない未治療患者群の平均MKレベルは、健康対照群のそれより、有意に低下していた(Shimizu et al.,2003)。さらに、36例のアルツハイマー病の患者血清において、47%の症例でMKの異常高値が示された(Ragaa et al., in press)。ヒトでは、MK遺伝子は染色体11q11.2に存在し、そのイントロン3の62番目のG→T一塩基置換(SNP)がtruncated MKの産生を増大させ、大腸癌の危険因子であるとの報告がある。このSNPと統合失調症の関連研究を行ったが、統合失調症患者153名、健常対照者232名の両群の遺伝子頻度に、有意差は認めなかった。また、発達期に海馬障害を示すMKノックアウトマウスの統合失調症モデル動物としての可能性を検討するため、覚せい剤メタアンフェタミン投与によって惹起される移所運動量の増加が見られないこと、線条体のドーパミン、DOPAC、HVAの含量が減少していること、線条体のドーパミンD1およびD2受容体結合能が減少していることを報告してきた。行動学的実験では、Prepulse Inhibitionの異常を検出した。以上の結果から、MKが成体でのドーパミン機能に関連していて、実験動物でのメタアンフェタミンの異常行動発現および統合失調症患者の症状発現に、一定の役割を果たしている可能性が示唆された。今後、MKが高次精神機能に果たす役割をさらに続けて検討していく予定である。
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