研究課題/領域番号 |
14657260
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
大平 敦彦 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 部長 (20101074)
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研究分担者 |
松井 ふみ子 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・周生期学部, 助手
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脳障害 / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / 神経系前駆細胞 / FGF-2 / 細胞増殖 / 脳損傷 / 虚血 / 低酸素 / 細胞内骨格タンパク / 神経前駆細胞 / ホスファカン / 新生児 / NGC |
研究概要 |
本研究の目的は、プロテオグリカン、特にそのコンドロイチン硫酸(CS)糖鎖を利用して、周生期脳障害の新たな早期治療法への道を拓くことである。この目的に向かって、本年度は、以下の成果を上げた。 1.コンドロイチン硫酸による神経系前駆細胞の機能調節 神経系前駆細胞のニューロスフェアー培養系に、FGF-2と共に種々の市販CS標品を添加したところ、CS-BおよびCS-Eがヘパリンやヘパラン硫酸と同程度の増殖促進効果を持つことを発見した。さらに、驚くべきことに、神経系前駆細胞に富む胎生14日ラット胎仔脳由来のCS標品にも、FGF-2依存性の神経系前駆細胞の増殖を促進する活性が認められた。このCS標品は、CS-B由来の二糖単位(B-unit)を約5%、CS-E由来の高硫酸化二糖単位(E-unit)を2%弱含む。このことから、これら二糖単位が構成する機能領域が、胎仔脳由来のCSには存在することが示唆された。 2.コンドロイチン硫酸機能領域の検索 CS-BおよびCS-E多糖鎖中の、神経系前駆細胞増殖促進活性領域を同定することを目指して、CS-Bを亜硝酸/ヒドラジン分解により、また、CS-Eを精巣性ビアルロニダーゼ消化により、分子サイズの異なるオリゴ糖を調製した(弘前大学・高垣啓一教授による)。いずれのオリゴ糖も、FGF-2の活性を増強しなかった。一方、CS-BとFGF-2存在下で、CS-B由来オリゴ糖を添加した場合、二糖画分がCS-B多糖によるFGF-2の活性増強を抑制した。また、CS-EおよびFGF-2存在下で、CS-E由来オリゴ糖を添加した時には、六糖および四糖画分がCS-E多糖によるFGF2の活性増強を抑制した。この結果から、FGF-2依存性の細胞増殖を促進するためには、CS-BとCS-Eは多糖であることが心要である。しかし、その活性発現に必須な機能領域は、二〜六糖程度の低分子と思われる。
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