研究課題/領域番号 |
14657262
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40251251)
|
研究分担者 |
津久井 通 埼玉医科大学, ゲノム医学研究センター, 講師 (10333006)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ビタミンK / 骨粗鬆症 / 遺伝子改変動物 / オステオカルシン / 核内受容体 |
研究概要 |
退行期骨粗鬆症では加齢にともなう骨量の減少と骨の微細構造の変化から脆弱性が亢進し、それに基づき骨折を引き起こしやすい状態となっている。とくに高齢者の生活の質を著しく低下させるため、本症の病態の解明と治療法の確立が強く望まれている。'近年ビタミンKが、骨粗鬆症治療薬として有効であることが日本独自の臨床研究により発見された。ビタミンKの作用は、(1)ビタミンK依存性蛋白を介する作用と、(2)骨への直接作用を含むそれ以外の作用から成り立っている。その作用を解明するためには、(1)と(2)の作用を分離する必要があり、その目的で(1)の作用を改変させたモデル動物を作製して解析した。ビタミンK依存性ガンマカルボキシラーゼとビタミンK依存性蛋白質のcDNAを単離同定し、ゲノム上の遺伝子を構造決定した。この遺伝子を欠失もしくは過剰発現させるためのDNAベクターを作製し、遺伝子改変マウスを作製した。特にビタミンK依存性蛋白質であるオステオカルシンのコンディショナルトランスジェニック動物で骨の石灰化異常が示された。また(2)に関してはビタミンKが骨の細胞において作用する核内受容体として新たにSXR/PXRを見出した。この経路により、骨芽細胞のマーカーであるアルカリフォスファターゼ、オステオポンチン、オステオプロテジェリン、MGPが誘導されることを世界に先駆けて示した。この新規作用経路の個体における役割を知るためには、動物モデルを作製する必要があり、現在ノックアウト動物モデルを解析している。これらモデル動物由来の骨組織、骨細胞を用いることにより、ビタミンKの基本的作用機構の解明に大きく貢献できるものと考えられる。
|