研究課題/領域番号 |
14657269
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン / 膵β細胞 / 再生医療 / 骨髄細胞 / 幹細胞 / 間葉系幹細胞 |
研究概要 |
糖尿病の再生医療を確立するためには、前駆細胞を効率よく分化させて、インスリンを分泌する膵β細胞を数多く作製する必要がある。このためにはどのような前駆細胞を用い、どのようにして数多くの膵β細胞を得るかということが重要である。われわれは骨髄細胞をこの目的に使えないか、さらに骨髄細胞の中でもin vitroで容易に増幅することが可能な骨髄間葉系幹細胞がこの目的に使えないかと考えて本研究を開始した。まず温度依存性にSV40T抗原を発現するトランスジェニックマウスの骨髄から間葉系細胞を得てこれを株化した。この細胞は32度で培養する際にはT抗原を発現し、その結果無限増殖が可能な状熊になる。一方、温渡を37度に変えるとT抗原は消失し、正常の間葉系細胞と同様の形質を発現するとともに、様々な条件で分化能を発揮する。この細胞GFP遺伝子導入によりマーキングし同系マウスに移植したが、無処置のマウスでは膵臓にGFP陽性細胞は出現しなかった。一方、マウスの膵管を結紮し、膵炎を惹起したマウネにマーキングした細胞を移植すると、やがて膵組織にGFP陽性細胞が集積した。その一部は転写因子PDX1や膵前駆細胞のマーカーであるPGP9.5を発現し、一部にインスリンをも発現する細胞が認められた。すなわちin vivoの条件でインスリン産生細胞へと分化しうることが明らかになった。しかし膵管結紮ではなく、膵部分切除を行ったマウスや、ストレプトゾトシンの投与により糖尿病状態にしたたマウスに移植した場合にはこのような分化転換は認めなかった。そこでin vivoの培養系に、膵管結紮を行ったマウス膵臓の抽出液を添加して培養を行ったところ、ごく一部ではあるが、インスリン産生細胞への分化が認められた。今後さらに効率よく分化させる条件を検討していきたい。
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