研究課題/領域番号 |
14657279
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
谷口 英樹 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70292555)
|
研究分担者 |
中内 啓光 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40175485)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | ES細胞 / 細胞分化 / 再生医療 |
研究概要 |
胚性幹(ES)細胞の分化制御による再生医療に関する基礎的研究 胚性幹細胞(embryonic stem cell:ES細胞)の肝細胞への分化誘導法を検討し、細胞移植等に必要な規格化された安全性の高い肝細胞を供給可能とし、肝臓の再生治療法を確立することを目的として研究を行った。本年度は、肝実質細胞へ分化の方向性が決定された肝幹細胞(hepatic stem cell)を、ES由来細胞群の中からFACS (fluorescenqe activated cell sorter)を用いた精度の高い細胞分離法により特異的に選別・回収する方法論の確立を試みた。ES細胞をLIF(leukemia inhibitory factor)の非存在下に培養し、胚様体を形成させた後に接着培養を行った。培養20日目以降に、肝細胞系列マーカーであるアルブミンの発現を指標として、FACSを用いた細胞分離を行った。分離・回収したES細胞由来アルブミン陽性細胞は、肝幹細胞に至適な条件下に培養を継続した。すなわち、10%ウシ胎児血清、hepatocyte growth factor (HGF)、epidermal growth factor (EGF)、 oncostatinM (OsM)の存在下でコラーゲンIVコーティングディッシュを用いた接着培養を行った。この培養により、アルブミンやサイトケラチンなどの肝細胞系列マーカーだけでなく、glucose-6-phosphatase、 asiaroglycoprotein receptorなどの肝細胞の後期分化マーカー(成熟マーカー)の発現が確認された。また、形態学的にも成熟肝細胞の特徴とされている2核を有するアルブミン陽性細胞が存在することが判明した。これらの結果から、ES細胞由来アルブミン陽性細胞から成熟した肝細胞が分化誘導されることが示唆されたが、一方ではアンモニア代謝能などの成熟肝細胞機能の発現は確認されておらず、さらなる検討が必要であることも明らかとなった。今後、この肝細胞へ分化しつつある細胞群を選択的に回収するために、FACSによる段階的な細胞分離法を用いた研究を計画する必要がある。
|