研究課題/領域番号 |
14657284
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00322248)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 動脈瘤 / JNK / 治療 / 細胞外マトリックス / 血管生物学 / シグナル伝達 / MMP / 分子標的治療 / 大動脈瘤 |
研究概要 |
[研究の目的と背景]大動脈瘤は、破裂すると予後不良な臨床上重要な疾患である。本研究は、大動脈瘤壁における刺激応答機序を解明し、大動脈瘤退縮療法の開発をめざすものである。我々は、ヒト大動脈瘤壁において細胞内シグナル伝達経路の一つであるc-Jun N-terminal kinase (JNK)が顕著に活性化していることを見い出した(平成12.13年度奨励研究(A)12770651)。さらに平成14、15年度に、JNKがヒト大動脈瘤壁において細胞外マトリックス代謝のバランスを分解の方向に協調的に制御する主要な因子であることを明らかにした。 [平成16年度の結果](1)動脈瘤形成予防:マウス腹部大動脈を0.5M CaCl2に暴露し、動脈瘤モデルを作製した。Sham群は生理食塩水で処置した。CaCl2処置後、特異的JNK抑制薬SP600125(CaCl2+SP群)またはvehicle(CaCl2群)を連日投与し、10週後の摘出大動脈を解析した。マウス動脈瘤モデルの.CaCl2群では、大動脈は顕著に拡大し瘤が形成された。CaCl2+SP群ではSham群と同等の大動脈径を示し瘤形成は完全に阻止された。 (2)動脈瘤退縮:マウス腹部大動脈CaCl2処置後6週目の瘤形成後から、特異的JNK抑制薬SP600125(SP群)またはvehicle(V群)を連日投与し、CaCl2処置後12週目の摘出大動脈を解析した。SP群の大動脈径はCaCl2処置後6週目よりも顕著に縮小し、かつV群に比べ有意に小さく、JNK抑制薬による動脈瘤の退縮効果が認められた。 [平成16年度のまとめ]JNK阻害によるマウス大動脈瘤の形成予防効果のみならず、動脈瘤形成後の退縮効果も実証された。JNKを分子標的とした大動脈瘤治療の可能性が示された。
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