研究課題/領域番号 |
14657288
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安井 久喬 九大, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20089923)
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研究分担者 |
富田 幸裕 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (90180174)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Cyclophosphamide / ブスルファン / NK細胞 / NKT細胞 / Anti-NK1.1mAb / キメリズム / destruction / NKTノックアウトマウス |
研究概要 |
我々はこれまでCP誘導性免疫寛容について研究報告してきた。MHC一致、Minor抗原不一致の組み合わせにおいてspleen cellを1x10^8投与し、2日後にCPを投与することでドナー特異的免疫寛容を誘導することができる。さらにこれまでのプロトコールに加え、Myelo abrativeな作用のあるブスルファン(BU)を投与しその1日後にT cell depletionしたBMCを投与することで骨髄レベルのキメラを誘導し、MHCの壁を越えてドナー特異的免疫寛容を誘導することができる。近年NK細胞及びNKT細胞がTransplantation Toleranceに関与するとの報告もあるが、まだ詳細は不明な点が多い。今回はこのCyclophosphamide誘導性免疫寛容におけるNKおよびNKT細胞の関与を解明するとともに新しいプロトコールの開発を行うこと目的とした。MHCの異なる組み合わせを用い、前に説明したプロトコールに加え、NK細胞の役割を調べるため、NK細胞をdepletionするAnti-NK1.1mAbをday -2に投与。またNK細胞をdepletionすることにより、さらに低毒なプロトコールが可能であるか調べるため、今回はブスルフアン(BU)は使用していない。SC/CPのみでは早期よりキメリズムがほとんど認められなかったが、Anti-NK1.1mAb加えることにより早期に高レベルのキメリズムを認めた。後期には漸減傾向が見られた。末梢において、ドナー細胞に対して特異的に反応するレシピエントVβ11^+T細胞の減少をdestructionというが、今回のプロトコールにおいてはこの現象は認められなかった。SC/CP/BMC群に比べNK1.1mAbを加えた群では有意にHeart Graft及びSkin Graftの生着延長を得た。NK細胞がCyclophosphamide誘導性免疫寛容において早期のBone Marrow Rejectionに関与しており、抗NK抗体の投与により骨髄レベルのキメラ誘導を可能とすることが示され、Heart Graft・Skin Graftの生着延長を得た。したがってNK細胞をDepletionすることによりMyeloabrativeなDrugを不要/減量とし、より低毒性のプロトコール作成を可能とすることが示唆された。 また、CP誘導性免疫寛容においてMHC一致、Minor抗原不一致の組み合わせでレシピエントにNKTノックアウトマウスを用いた場合、WTマウスでは永久生着が見られるドナー皮膚移植片が30日前後で拒絶される現象を認めた。またキメリズムにも有意な差が見られた。このことはレシピエント中のNKT細胞がCP誘導性免疫寛容において重要な役割を果たしており、Immuno regulatory functionを発揮している可能性を示唆するものである。現在このNKT細胞がどのようなメカニズムで、CP誘導性免疫寛容に関与しているかを調査中である。
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