研究課題/領域番号 |
14657334
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
日下 康子 東北大, 大学病院, 助手 (00292219)
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研究分担者 |
白根 礼造 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30206297)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 衝撃波医療 / レーザー医学 / 脳神経外科 / 二分脊椎 / レーザー誘発衝撃波 / 衝撃波工学 / 神経内視鏡 / 低侵襲治療 / 骨形成誘導 |
研究概要 |
平成14年度は、中枢神経系近傍での使用が可能な内視鏡型衝撃波照射装置を試作し、脊椎模擬モデルを用いて衝撃波伝播動態の解析実験および二分脊椎動物モデルの作成を行った。本年度は、前年度で得られた知見を基に、(1).内視鏡型衝撃波発生装置の開発、(2).脊椎模擬モデルを用いた衝撃波伝播動態の解析実験を行うとともに、(3).二分脊椎動物モデルを作成し、実際の照射方法を確立することに主眼を置いた。 (1)について、昨年度までは衝撃波発生装置の基礎構造として、カテーテル内での水中ホロミウムYAGレーザー照射を利用していたが、現段階では衝撃波の発生源であるレーザー誘発気泡の十分な単振動を許容するスペースが制限されていたために、発生する衝撃波の過剰圧が5MPa程度と我々が期待する臨床効果には十分ではないことが予想された。そこで、レーザーの種類を変更し(Er:YAGレーザー)、衝撃波発生装置の溶媒部を変更することにより(易キャビテーション発生媒体)、過剰圧を上げるためのあらゆる試行を凝らしたが、著明な衝撃波の圧上昇効果は得られなかった。 (2)について、レーザースペックル干渉法を用いて、模擬物質、ならびに扁平骨に衝撃波を照射した際の被照射体における歪みの可視化に成功した。今後、模擬脊椎を作成し、衝撃波を照射した際の被照射体における歪みの時間-空間的分布や、衝撃波の強さや照射条件などのよる被照射部での骨生成量の差異を比較しそれらを総合的に評価することで、衝撃波誘導骨形成の機序が解析可能になるものと考えられた。また、被照射部周囲組織の保護方法に関しては、数値計算や模擬的な物理実験の併用により、衝撃波照射時に被照射部周囲の臓器保護効果を有することが既に判明しているGore-Tex人工硬膜について、その(衝撃波)減衰機序を解析した。今後、さらなる検討を進め、種々の脳神経解剖下にて応用可能となるような保護材の開発を目指してゆこうと考えている。 (3)について、ウサギの二分脊椎モデルを作成し、前述の衝撃波発生装置を用いた骨形成促進療法の効果を検討したが、現存の装置では衝撃波の過剰圧が不十分であり、期待される効果は認められなかった。 以上(1)、(3)の結果を踏まえ、現在、新たに電極放電を用いた内視鏡挿入型衝撃波発生装置の開発を行っている。来期は、改良した新装置の物理特性の検討が終了次第、再度二分脊椎モデルに対しての衝撃波照射を行ない、より安全かつ効果的な骨形成促進法の開発を進める予定である。
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