• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

VHL遺伝子による神経幹細胞・ES細胞の神経分化メカニズムの解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 14657347
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 脳神経外科学
研究機関横浜市立大学

研究代表者

菅野 洋  横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40244496)

研究分担者 出澤 真理  京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50272323)
味村 俊郎  横浜市立大学, 医学部附属病院, 助手 (50336583)
研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードVHL遺伝子 / 神経分化 / 神経再生 / パーキンソン病 / 神経幹細胞 / ES細胞
研究概要

神経幹細胞や骨髄細胞などの中枢神経系内への移植によって、神経機能を回復させ、神経難病を治療しようとする神経再生医療の研究が注目されている。これまで、研究代表者らは、神経幹細胞や胚性幹細胞を一定方向(神経細胞へ)に分化を誘導する可能性について検討を行い、その結果、腫瘍抑制遺伝子の一種であるvon Hippel-Lindau腫瘍抑制遺伝子(VHL遺伝子)を導入することによって、神経幹細胞を特異的に神経細胞へ分化誘導しうることを見出した。VHL遺伝伝子導入により、神経細胞へ分化誘導された細胞は、神経特異的マーカーであるNeurofilament、Neuropeptide Y,MAP-2などの陽性が確認できたばかりでなく、神経としても電気生理学的機能に関しても、パッチクランプ法で高位のNa-K電流を確認できた。さらにVHL遺伝子をアデノウイルスベクターで導入した神経幹細胞を6-OHDHを脳内へ注入して作成したパーキンソンモデルラットの脳内へ移植を試みると、神経症状の改善を認め、脳内で高率に生着し、高率に神経細胞(ニューロン)へ分化していることが確認できた。また、この神経分化はVHL遺伝子のアンチセンスで完全に抑制され、変異型のVHL遺伝子導入でも抑制された。コントロールとして、無処理の神経幹細胞を移植しても、症状の改善は得られなかっただけでなく、移植内で大部分は神経膠細胞(グリア)へ分化していた。VHL遺伝子を導入することで神経幹細胞がどうして神経細胞へ分化するか、そのメカニズムに関しては、10,000種類の遺伝子発現をマイクロアレイ法で網羅的に解析した。その結果、神経分化に関与する因子の遺伝子発現の上昇をみとめ、グリア細胞へ分化誘導する因子群の遺伝子発現の抑制を認めた。このことから、VHL遺伝子は神経幹細胞から神経細胞(ニューロン)への分化において、極めて重要な役割を演じていることが示された。また、ES細胞においては、VHL遺伝子導入のみでは分化誘導されず、神経栄養因子の存在が必要であった。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 菅野 洋: "神経幹細胞と転写因子"CLINICAL NEUROSCIENCE. 20(1). 49-52 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Murata H: "Von Hippel-Lindau tumor suppressor protein transforms human neuroblastoma cells into neuron-like cells"Cancer Research. 62(23). 7004-7011 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Kanno H: "Meningioma showing VHL gene inactivation in a patient with von Hippel-Lindau disease"Neurology. 60. 1197-119 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Yamada H: "Transfer of the von Hippel-Lindau tumor suppressor gene to neuronal progenitor cells in treatment for Parkinson's disease."Annals of Neurology. 54(3). 352-359 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Murakami K: "Lavendustin A enhances axon elongation in VHL gene-transfected neural stem cells"NeuroReport. 発行予定. (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 菅野 洋: "ホストシークエンス時代における脳腫瘍の研究と治療"九州大学出版会. 561 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 菅野 洋: "神経幹細胞と転写因子"CLINICAL NEUROSCIENCE. 20(1). 49-52 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Murata H, Tajima N, Kanno H, ほか7名: "Von Hippel-Lindau tumor suppressor protein transforms human neuroblastoma cells into functional neuron-like cells"Cancer Research. 62(23). 7004-7011 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Kanno H, Yamamoto I, Yoshida M, Kitamura H: "Meningioma showing VHL gene inactivation in a patient with von Hippel-Lindau disease"Neurology. (発行予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 菅野洋, 村田英俊, 後藤昌之, ほか: "ポストシークエンス時代における脳腫瘍の研究と治療"九州大学出版会. 561 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi