研究課題/領域番号 |
14657371
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
森本 典夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90107904)
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研究分担者 |
坂江 清弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70041358)
米 和徳 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40182844)
松永 俊二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90229500)
鈴木 秀作 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70041663)
榊間 春利 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10325780)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 老化マウス(SAMP1) / ICRマウス / 筋萎縮 / 加齢変化 / 運動ニューロン / アポトーシス / 加令変化 / 不動性筋萎縮 / 筋萎縮に対する運動負荷 / 老化促進マウス / 筋組織の加齢変化 / 運動負荷 |
研究概要 |
加齢に伴う筋力低下は、筋量の減少と筋組織の変性変化が最大要因とされている。筋量の減少は、筋線維数の減少と速筋線維の選択的萎縮の相乗効果によるものと考えられている。一方、筋量の減少には筋線維の萎縮による筋断面積の減少と筋線維数の減少が関与し、これには運動ニューロンの崩壊、喪失による運動単位の減少が原因といわれているが、未だ不明な点が多い。われわれは、この2年間、老化促進マウス(SAMP1)とICRマウスを用いて20週令〜90週令(各10週齢令ごと)のヒラメ筋と腓腹筋の組織化学的検討を行ってきた。その結果、SAMP1は56週令前後から筋の老化が始まり、ICRマウスはその後も明らかな老化兆候は認められにくいことがわかった。SAMP1の60週以降については、筋湿重量は明らかに有意差はみられたが、重量、筋線維断面積、筋線維数、筋線維のタイプ組成については、減少傾向はあるものの有意差はなかった。ただ、遅筋線維に比較して速筋の萎縮と筋繊維数の著しい減少が認められ、筋の遅筋化が窺われた。今回、筋線維数の減少と速筋線維の萎縮に運動ニューロンの死が関与しているかどうかについて、脊髄(腰髄)前角細胞の組織所見を観察した。脊髄前角細胞の死が認められれば、その細胞死が、アポトーシスよるものかどうかについてTUNEL染色、caspase染色にて証明を試みた。 「実験」 方法:20週令、60週令、70週令、80週令、90週令のSAMP1マウスおよびICRマウスを各週5匹づつ用い、脊髄標本を作成、HE染色、KB染色とTUNEL染色、caspase染色を行い鏡検した。 結果:SAMP1については、20週令では、前角には正常な形態を示す豊富な脊髄細胞の集団がみられたが、筋の変性から初老と推察される60週令は、20週令に比し細胞数が減少しており、週令を重ねるにつれ、さらに細胞数が減少していた。しかし、60週令とそれ以降の週令とは明らかな有意差は認められなかった。Caspase染色では、20週令は染色されなかったが60週令以降の細胞では細胞質が染色されるものが多く、また、TUNEL染色では、70週令の一部に染色された核をもつ細胞が認められた。一方、ICRマウスについては、60週令以降の前角細胞には明らかな変化はみられなかった。 結論:今回の実験では、SAP1に関しては、60週令以降の脊髄細胞は数が漸次減少していることから、ニューロンの崩壊あるいは消滅していることが検証され、また、このニューロンの死には、アポトーシスが関与している可能性のあることが示唆された。このことは下肢のヒラメ筋、腓腹筋の筋線維の萎縮と関連があり、筋力低下の一因とも考えられる。
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