研究課題/領域番号 |
14657410
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (10243031)
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研究分担者 |
水野 正明 名古屋大学, 医学研究科, 助教授 (70283439)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (90240952)
吉田 純 名古屋大学, 医学研究科, 教授 (40158449)
中尾 昌宏 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00188880)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | インターフェロンβ / リポソーム / 遺伝子治療 / 腎癌 / アポトーシス |
研究概要 |
【目的】腎癌の約10-15%は初診時に転移が認められ、転移のない症例でもその約20-30%は根治的腎摘除術後に転移をきたす。この転移性腎癌に村しては免疫療法が主に行われているが、その奏効率は約15-20%程度と満足できるものではない。このように腎癌の治療における最も重要な課題のひとつは転移性腎癌の治療にあるといえる。Interferon-β(IFN-β)/Liposome遺伝子治療製剤であるIAB-1はMalignant Gliomaに対して名古屋大学において開発された。すでに名古屋大学医学部脳神経外科において臨床研究が開始されており、その有用性が報告されている。そこで今回、このIAB-1の腎癌に対する有効性について検討した。 【方法】ヒト腎癌細胞株(NC65、ACHN)、および2種類の腎癌初期培養細胞(RCC1、RCC2)を標的細胞として用いた。IFN-βの産生はEnzyme-linked Immunosorbent Assayにて、in vitroにおける直接細胞障害活性はTetrazolium、Salt Assayにて検討した。in vivoモデルとして、SCIDマウスにNC65腎癌細胞を皮下移植し、IAB-1をマイクロポンプにて投与した。 【成績】IAB-1によりin vitroにて腎癌細胞に対してIFN-β遺伝子導入を行うと、その細胞培養上清中には有意なIFN-βの分泌が認められた。またIAB-1処理により、腎癌細胞に対して細胞障害活性が認められた。このIAB-1による細胞障害作用は、IFN-β蛋白よりも有意に強く認められた。IAB-1により正常腎細胞に対してもIFN-β遺伝子導入は可能であったが、細胞障害活性は示さなかった。TUNEL染色にて,IAB-1の細胞障害作用はアポトーシス誘導によることが確認された。 SCIDマウス皮下にNC65腎癌細胞株を移植し、その形成された腫瘍に対して微量注入ポンプにてIAB-1を直接注入したところ、IFN-β蛋白投与よりも有意な抗腫瘍効果が認められた。この効果は、投与量依存性に認められた。 【結論】以上の結果から、腎癌に対するIAB-1遺伝子治療製剤を用いたアポトーシス誘導による分子標的治療の可能性が示唆された。
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