研究課題/領域番号 |
14657413
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐久間 一郎 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40260393)
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研究分担者 |
服部 裕一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50156361)
富樫 廣子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20113590)
吉岡 充弘 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40182729)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エストロゲン / ラット / 冠動脈 / 脳血管 / VEGF / eNOS / 卵巣摘出 / アポトーシス |
研究概要 |
卵巣摘出による閉経、および閉経後のエストロゲン補充(HRT)が、心臓と脳の毛細血管網の構築にどのような影響を及ぼすかについて、組織学的に確認するとともに、その際のエストロゲン受容体のサブタイプの関与、血管増殖因子の変化、アポトーシスの関与等について免疫組織学的、分子生物学的に検討した。 40週令の経産雌性Wistarラットを用意し、以下の群に分けた。A : sham手術群:腹部切開したのみで縫合した群。B:卵巣摘出群:両側卵巣を腹部切開により摘出し、縫合した群。C:エストロゲン補充群:卵巣摘出後、皮下に浸透圧ミニポンプを包埋して縫合し、水溶性17β-エストラジオール3μg/日を持続投与した群。4週間後にラットから心臓および脳を摘出し、総毛細血管密度、血管増殖因子とその受容体のmRNAおよび蛋白の発現、アポプトーシスのマーカー、NO合成酵素(eNOS)の発現、エストロゲン受容体(ER)サブタイプの発現、HIF (ischemia inducible factor)の発現を検索した。 卵巣摘出群では、心臓および脳において、総毛細血管密度が減少し、VEGFとその受容体KDRがmRNAおよび蛋白レベルで減少し、アポトーシスマーカーが増加し、eNOS発現が低下し、ER-βが減少した。これらの変化はエストロゲン補充により回復した。 以上から、ラットでは、エストロゲンがER-β-VEGF-KDR-eNOS系により心および脳毛細血管網を制御し、虚血を防いでいる可能性が示された。 一方、ER-αノックアウトマウス、およびER-βノックアウトマウスを用いた検討により、マウス心ではER-αが、よりVEGF-KDR-eNOS系心毛細血管網に関与することが示唆され、動物種によりERサブタイプの影響が異なるものと考えられた。
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