研究課題/領域番号 |
14657417
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 福井大学(医学部) |
研究代表者 |
河原 和美 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (60234100)
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研究分担者 |
吉田 好雄 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60220688)
小辻 文和 福井大学, 医学部, 教授 (50153573)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 足場非依存性増殖能 / 卵巣癌 / 細胞株 / Bc1-2 / MAPK cascade / ERK / Ras / 癌転移 / anoikis / Bcl-2 |
研究概要 |
卵巣癌における、"足場非依存性増殖能"の獲得機序を自然発生した癌細胞で検討するため高度足場非依存性増殖能を有すヒト卵巣癌細胞株を培養樹立し、シグナル伝達における特徴を分子生物学的に検討した。同意の得られた卵巣癌患者腹水より培養を行った。初代培養にて培地中に浮遊してきた細胞のみをコラーゲンコートシャーレ上で再培養することにより細胞株TAC3を樹立した。TAC3はコラーゲン上では接着性に増殖するのに対し、通常のシャーレ上では浮遊性に増殖した。倍加時間は接着時、浮遊時共に約27時間であった。核型は47XXで1,16番染色体に異常を認めた。ヌードマウス皮下移植では全ての接種マウスにオリジナルの卵巣癌と類似した腫瘍の形成を認めた。シグナル伝達における特性としてアポトーシス関連蛋白の解析とFAKおよびMAP kinase cascadeの解析の解析を行った。TAC3ではBc1-2の強発現とMEK、ERKの浮遊による活性亢進、およびRasの恒常的活性亢進を認めた。またシグナル伝達阻害剤による増殖阻害効果の検討では、MEK inhibitor U0126は接着細胞よりも浮遊細胞においてより顕著に細胞増殖を阻害した。浮遊によるERK活性亢進のメカニズムとしては、足場からの離脱によって活性化された何らかのシグナルがMEKのレベルでMAPK cascadeに流入することが明らかとなった。このシグナルの流入にはRasの活性亢進が関与している可能性が推察された。MEK Inhibitorが浮遊細胞の増殖をより顕著に抑制したという結果は、新たな抗転移シグナル療法の可能性を示唆するのと考えらる。TAC3は、卵巣癌の転移や腹膜播腫の克服を目指した新たな治療戦略の開発・研究において非常に有用な細胞株と考えられる。
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