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卵巣癌細胞におけるHIF-1α遺伝子の核内発現とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 14657418
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 産婦人科学
研究機関信州大学

研究代表者

小西 郁生  信州大学, 医学部, 教授 (90192062)

研究分担者 堀内 晶子  信州大学, 医学部, 助手 (80334895)
二階堂 敏雄  信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180568)
研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード卵巣癌 / 播種性転位 / 細胞環境 / 低酸素 / E-cadherin / HIF-1α / Rho / マイクロアレイ
研究概要

卵巣癌は女性性器に発生する悪性腫瘍のうちで最も予後不良の疾患であり、その要因は腹腔内播種という転移様式にある。その過程は癌細胞がまず原発巣の血液供給から自立し、腹腔内の酸素供給を欠いた環境で浮遊・生存した後に腹膜に接着し、生着するという過程から成る。すなわち、癌細胞は一時期低酸素下に置かれることから、本研究は低酸素に反応して転写活性を上昇させるhypoxia inducible factor1-α(HIF-1α)に着目し、卵巣癌細胞におけるHIF-1αの発現の意義と機能を解明することを目的とした。
まず、卵巣癌細胞をとりまく環境を解析すべく、卵巣癌の腫瘍内溶液や腹水のガス分圧検討した結果、卵巣癌細胞は原発巣から遊離して低酸素環境にさらされていると考えられた。また、実際の卵巣癌組織においてHIF-1αの発現が乳頭状に突出する癌細胞の核内に認められ、さらにこの部位では血管新生因子であるvascular endothelial growth factor(VEGF)発現が亢進し、一方、細胞接着因子であるE-cadherinの発現が減弱していた。さらに、低酸素環境の重要性が示唆されたことから、卵巣癌培養細胞株を用いて低酸素条件下の種々の遺伝子発現変化を解析したところ、低酸素によりHIF-1α発現が亢進するとともに、VEGFの発現亢進、E-cadherinの減弱、細胞周期促進因子サイクリンの低下、抑制因子P21の亢進、およびin vitro浸潤能亢進が観察された。以上より、低酸素環境は癌細胞の細胞接着低下、血管新生、増殖能の抑制、浸潤能の亢進というmetastatic phenotypeへの転換に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Horiuchi A, et al.: "Hypoxia-induced changes in the expression of VEGF"Anticancer Res. 22. 2697-2702 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Imai T, et al.: "Hypoxia-induced changes in the expression of cell adhesion"9th Biennial Meeting of the IGCS. 99-101 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 今井 努 他: "卵巣癌の低酸素環境と接着・転移"産科と婦人科. 70. 87-92 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 小西 郁生: "卵巣癌"臨床婦人科産科. 55. 1181-1121 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 小西 郁生: "婦人科癌における血管新生因子"日本産科婦人科学会雑誌. 52. 1222-1227 (2000)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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