研究課題/領域番号 |
14657424
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中村 彰治 山口大学, 医学部, 教授 (80112051)
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研究分担者 |
石川 晃教 山口大学, 医学部, 助手 (40363098)
富士岡 隆 山口大学, 医学部, 講師 (50304473)
坂田 義行 山口大学, 医学部, 講師 (10034927)
石田 佳幸 山口大学, 医学部, 助手 (20325210)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 出産のタイミング / オキシトシン / バゾトシン / オキシトシン受容体 / 視床下部室傍核 / 胎仔 / 子宮 / 陣痛 / バソトシン |
研究概要 |
本研究は、『胎仔脳はオキシトシンを分泌して出産を誘発するか』どうかを、私たちが確立した母体-肺仔連結標本を用いた動物実験で明らかにすることを目的として行った。前年度までに、ラット胎仔の視床下部室傍核およびその近傍を電気刺激すると、母体子宮筋の収縮を誘発できることを確認した。さらに、胎仔視床下部室傍核の刺激によって誘発される子宮筋の収締は、オキシトシン受容体の阻害剤のバゾトシンを母体に静注することによって明らかに減弱された。 以下に今年度の実験内容とその結果を示す。1.胎仔脳の視床下部室傍核の刺激によって、胎仔血中オキシトシン濃度が上昇するかどうかを確認した。胎仔視床下部室傍核の刺激によって、胎仔血中のオキシトシン濃度は数十倍以上の著明な上昇を示した。2.胎仔中で増加したオキシトシンが、胎盤を通過して母体子宮筋を収縮させることができるどうかを確認するために、胎仔腹腔内にオキシトシンを投与して母体子宮筋の収縮を競察した。その結果、胎仔に投与したオキシトシンは母体子宮筋の収縮を誘発した。オキシトシンで誘発された子宮収縮は、バゾトシンで阻害された。3.出産直前の妊娠ラットにおいて、胎仔血中のオキシトシン濃度が上昇するかどうかを検討した。一匹目の胎仔の出産を確認した後に残りの出産直前と見られる胎仔および出産予定日前日の胎仔において、血中オキシトシン濃度を測定した。出産直前と見られる胎仔と,出産前日の胎仔との間で、オキシトシン濃度の明瞭な差を認めなかった。 以上の研究から、以下のことが考えられた。胎仔視床下部室傍核の刺激によってオキシトシンが分泌される。胎仔血中に分泌されたオキシトシンは、オキシトシン受容体を介して,母体子宮筋を収縮させる。妊娠直前のオキシトシン分泌を確認できなかった理由としては、妊娠のタイミングの正確な把握の困難さや麻酔による影響等が考えられる。
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