研究課題/領域番号 |
14657447
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
谷原 秀信 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60217148)
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研究分担者 |
福島 美紀子 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (10284770)
平田 憲 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60295144)
木村 章 熊本大学, 医学部付属病院, 講師 (20284771)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 網膜移植 / 再生医療 / 神経幹細胞 / 増殖因子 / 神経分化 |
研究概要 |
神経幹細胞による網膜移植 自家網膜神経幹細胞移植に先駆けて、脳由来神経幹細胞の網膜障害モデルへの移植を行い、解析を行った。NMDA傷害モデルラット眼にeGFPトランスジェニックマウス胎児脳由来神経幹細胞を移植し、移植細胞が1ヶ月以上の長期に渡り、網膜内に生着することを証明した。第二に、単離した神経幹細胞が、網膜内に移植された場合の、細胞系譜について解析をおこなった。移植された細胞の系譜を特異的マーカーを用いて経時的に解析したところ、傷害網膜内ではグリア細胞が優位に分化する傾向にあることがわかった。この原因を検索する目的で移植細胞にbHLHプロニューラル遺伝子であるneurogenin1,2をレトロウィルスベクターを用いて遺伝子導入しその細胞系譜を優位にニューロンに分化誘導して、これを移植した。さらにgp130ノックアウトマウス由来の神経幹細胞を用いて同様の移植実験を行った。これらの結果から移植された神経幹細胞の細胞系譜には網膜内のgp130シグナルに関わるサイトカインが影響していることが強く示唆された。また移植された網膜のミューラーグリアは長期にGFAP、nestin陽性のreactive gliaの反応を示し、移植部位のみならず網膜全体にこれらの変化が認められたことから、ごく少数の細胞を移植することでも網膜内の環境変化が生じうることが示唆された。 骨髄由来幹細胞の網膜内移植 eGFPトランスジェニックマウス由来の骨髄幹細胞を10Gyの放射線を照射した骨髄破壊アダルトマウスに静注し、キメラマウスを作製し、移植されたGFPマウス由来の骨髄幹細胞の網膜内への生着、分化について検討した。免疫組織学的解析で移植された細胞はストロマサイト、未熟な神経細胞、網膜神経細胞へと分化していることが示唆された。さらに電気生理学的手法を用いて神経細胞への分化について解析中である。 色素上皮由来細胞株の神経細胞への分化転換 新しい網膜幹細胞樹立にむけた実験の第1段階として尤も網膜神経細胞に分化の可能性が高いと考えられる色素上皮の細胞株を用いて分化転換現象の検証を行った。長期間、血清下に培養を行うとMAP5陽性の神経細胞が認められた。現在、この現象に関与しているサイトカイン、転写制御因子についてRT-PCR、gene chipを用いて解析中である。
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