1)平成14年度より収集した臨床検体(肥厚性瘢痕7検体、ケロイド12検体)に対して、テロメラーゼの局在を検討した、組織は4%パラホルムアルデハイド固定パラフィン切片を使用した。 2)局在の検討はimmunohisitochemistyで行い、Rabbit Anti human telomerase antibody(hEST2)を用いた。 3)前年度の検討の通り、肥厚性瘢痕、ケロイドともに、テロメラーゼの発現が確認され、その発現はケロイドで強かった。 4)肥厚性瘢痕、ケロイドともに組織の辺縁から正常組織と考えられる移行部での発現が主体であった。しかしながら、組織内部での発現を確認した検体もあった。 5)平成14年度、15年度の研究の結果、ケロイド、肥厚性瘢痕の増殖形態には、テロメラーゼ活性が深く関与していること、また、その発現の部位、発現量の差がケロイド、肥厚性瘢痕の病態の違いに関係していることが明らかとなった。
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