研究課題/領域番号 |
14657578
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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研究分担者 |
荒木 保弘 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60345254)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40219168)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | G蛋白質 / mRNA分解 / NMD経路 / Ski7蛋白質 / UPF因子 / 翻訳終結因子 / エキソヌクレアーゼ |
研究概要 |
真核生物には、転写・複製中のエラーや不適切なスプライシングによって生じたナンセンス変異をもつmRNAを選択的に分解する機構として、UPF因子群が介在するnonsense-mediated decay (NMD)経路が存在する。このNMDの作用によりナンセンス変異をもつ転写産物からC末端側が欠失した蛋白質が翻訳されることは通常ない。先に申請者らは、翻訳終結に関わるG蛋白質eRF3を単離し、このeRF3ファミリーに属する新規G蛋白質であるSki7が細胞質におけるmRNA分解の基本的因子であることを初めて明らかにした。本研究においては、以下に示すように、NMDには新規な分解経路が介在すること、さらにこの分解経路にはUPF因子群とSki7間の相互作用が必要であることを見出した。これは、UPF因子群とmRNA分解マシーナリーの機能的関連を示した初めての知見であり、ナンセンス変異がNMDを活性化する機構を理解する上で大きな手掛かりであると考える。 1、既知のNMD分解経路を抑制してもナンセンス変異をもつmRNAの分解は促進する。2、新規な分解経路は、UPF因子群のみならずSki7も必要である。3、Ski7はUPF因子群と相互作用する。4、Ski7のUPF因子群相互作用部位の強制発現により、新規経路を介した分解のみが抑制される。 多くの遺伝病はナンセンス変異が原因としており、そのmRNAはNMDによりが潜在化している。ナンセンス変異を含む転写産物をNMDから回避させることによって遺伝病原因遺伝子を同定し、より良い治療法を見出せる可能性もあり、上記の知見はNMD経路を標的とした新しい遺伝病の診断・治療法への応用にも有用である。
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